[夏子コメント]
戯曲『マイ・ボーイ・ジャック』は、『ジャングル・ブック』を生み出した作家ラドヤード・キプリングが残した詩を基に生まれた家族の物語です。長女を病で失い、息子を戦争で失ったラドヤード・キプリング。自然的な死と悲人道的な死を経験したキプリングの作品は、読めば読むほど、そこにはジャックの死以外にも、長女ジョセフィンへの思いも複雑に絡んでいるように思いました。私の演じる、次女エルシーは姉と弟を亡くしています。大人と子どもの狭間の少女は、父親を愛する気持ちと戦争を肯定した父親への不信感に大きく揺れたはずです。エルシーのセリフ一つ一つは誰よりも素直で、その素直さが胸に刺さります。そんなエルシーを、これから稽古で見つけていければと思います。
公演は10月7日(土)~22日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA、10 月28日(土)、29日(日)福岡・キャナルシティ劇場、11月3日(金)、4日(土)兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール。ほか愛知公演あり。詳しくは公式サイトへ。
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