1996年に宝塚歌劇団により日本初演、00年に東宝版初演。見る者を魅了し続けてきた大ヒットミュージカル『エリザベート』が、10月9日に帝国劇場にて開幕した。
初日を迎えて、舞台写真とエリザベート役の花總まりと愛希れいか、トート役の山崎育三郎(東京公演のみ)、古川雄大からコメントが届いた。
ミヒャエル・クンツェ(脚本/歌詞)、シルベスター・リーバイ(音楽/編曲)、小池修一郎(演出/訳詞)という最高のクリエーター陣と出演者が再び集結し、観客を美と退廃の世界へと誘う今回の『エリザベート』。
日本初演の『エリザベート』で世界最年少でタイトルロールを演じ、本場ウィーンの製作陣からも高い評価を得て19年にはオーストリア共和国有功栄誉金章受章、国内でも読売演劇大賞優秀女優賞、菊田一夫演劇賞大賞を受賞、『マリー・アントワネット』『レディ・ベス』主演など大役を次々と演じて圧倒的な存在感を放ってきた花總は、本公演が四半世紀以上を共に歩んだエリザベート役の集大成となる。そして19年から花總と共に同役を演じた愛希は、ミュージカル『マタ・ハリ』『泥人魚』などに加え、NHK大河ドラマ「青天を衝け」、「潜水艦カッペリーニ号の冒険」(フジテレビ系)など多方面での活躍を経て、本公演も花總とWキャストでエリザベートを演じる。
トート役には、人気、実力共にミュージカル界のトップを走り続ける山崎、古川、井上芳雄(福岡公演のみ)の三俳優が集結、トリプルキャストで演じる。20年、新型コロナウイルスの影響で幻となった“山崎トート”が、遂に帝国劇場に登場する。
そのほか、田代万里生/佐藤隆紀(Wキャスト)、甲斐翔真/立石俊樹(Wキャスト)、未来優希、剣幸/涼風真世/香寿たつき(トリプルキャスト)、黒羽麻璃央/上山竜治(Wキャスト)らが出演する。
[エリザベート役:花總まりコメント]
初日を迎えるに当たり、いつもながらですが、もっと時間が欲しいと思ってしまいます。もうすぐ幕が開きます、心を込めて今できることを精一杯やりつくそうと思っております。花總まりが演じる“エリザベート”がどんなエリザベートであったかは、ご覧になったお客さまが決めることだと思いますので、私はただ一生懸命に演じるだけです。来年1月31日までの全ての公演を、心を込め、1回1回を誠実に、大切にしていきたいと思っております。ミュージカル『エリザベート』の世界をどうぞお楽しみくださいませ。劇場でお待ちしております。
[エリザベート役:愛希れいかコメント]
劇場に入り、いよいよ始まるんだなと実感してきて、今は緊張感でいっぱいです。とにかく最後まで諦めず闘い、もがいて…エリザベートの人生を生き抜きたいと思います。私としては、もう一度挑戦できる喜びや緊張、さまざまな思いがありましたが、何よりも2020年の公演を楽しみに待っていてくださったお客さまのことを考えると、とても胸が痛かったので、今回はより一層気合が入りました。今、カンパニー全体が”この作品を必ずお届けしたい”という熱い思いで溢れています。私が今できる全てを懸けて挑んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。劇場でお待ちしております。
[トート役:山崎育三郎コメント]
2020年4月の公演中止から2年半がたち、幕が上がるこの日をずっと待ち望んでいました。今は、エリザベートカンパニーで帝国劇場の舞台に立てる喜びをかみ締めています。これまでルキーニとして出演してきて今回初めてトートを演じますが、稽古を重ねる中で、同じ作品でも角度が変わるだけで、こんなにも作品への捉え方、感じ方が変わるものだと驚きの連続でした。トート役に対しての解釈も、ある意味正解がなく、自分自身と向き合う時間でもありました。稽古の中で、小池先生から「孤独と陰」というテーマを頂き、自分の中にある影が反映されているトートのような気がします。そして作曲家リーバイさんがおっしゃっている挑戦的で攻撃的なトートも強く意識して挑みたいと思います。ついに帝国劇場で『エリザベート』の幕が上がります。どんな困難や逆境にも耐え、必死で自分の人生を生き抜くエリザベート。今、この時代にこの作品が届けられることに大きな意味を感じながら、一つ一つ大切に挑みます。帝国劇場が2025年をめどに一時休館するということも発表されましたが、今、この奇跡の瞬間を全力で楽しみたいと思います。
[トート役:古川雄大コメント]
すごく緊張感が高まっています。トート役は二度目となりますが、時間を重ね経験を積んでもなお、この作品、この役の重さを感じています。稽古期間は、改めてトートと向き合って、難しさを痛感した時間でした。今回は、前回のトートから自然と進化したところ、自分の成長が生きるところや、自分がこの三年間で温めてきたアイデアを取り入れたりしたところが多数あり、見て「変わったな」と感じていただける部分が多いと思います。この作品におけるトートについてはいろいろな解釈がありますが、自分なりの“新しいトート像”を創り上げ仕上げたつもりなので、その変化をご覧いただけたらうれしいです。
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