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藤ヶ谷太輔主演映画『そして僕は途方に暮れる』公開御礼舞台挨拶

人生を賭けた逃避劇に共感と反感が渦まく《現実逃避型》エンタテインメント『そして僕は途方に暮れる』。その公開御礼舞台挨拶が1月24日に都内で行われ、主演の藤ヶ谷太輔、共演の前田敦子、中尾明慶、三浦大輔監督が参加した。

ステージには前田、中尾、そして三浦監督がラインナップするも、肝心の主演・藤ヶ谷が不在!? まさか劇中の裕一に影響を受けて逃げてしまったのか?などと壇上がザワザワする中、なんと藤ヶ谷は会場後方の一般入り口から登場。藤ヶ谷は逃げずに一礼して客席の中央通路を歩きながら、劇中の裕一さながら度々後ろを振り向むく演出をみせながら、ステージへ登壇した。

公開初日から早くも10日が経過。藤ヶ谷はSNSや映画サイトの感想を逐一チェックしているようだが「皆さんが書き込んでくれた感想を紙に印刷してもらって読んでいます」とまさかのアナログ方式で、中尾から「そろそろSNSに慣れましょうよ」などと突っ込まれるも「紙は両面印刷なので見やすい。紙はいいですよ」と紙印刷の良さを熱弁していた。

周囲からの反響を聞かれると「メンバーにチケットを渡したのは初めてかも」と藤ヶ谷は明かして「自分の挑戦を見届けてもらいたいという思いもあるけれど恥ずかしさもある。メンバー一人ずつにチケットを配りながら『映画、良かったら見てください』と何故か敬語になった。でもきっと見てくれると思う」とメンバーからの感想を心待ちにしていた。

裕一と5年間同棲をしている彼女・鈴木里美役の前田は、別の作品で共演中の子役が本作を見てくれたそうで「小学生の子だけれど『内容わかった?』と聞いたら『素晴らしかったです』と言ってくれたので、響いたんだなと思った」と手応え。裕一の幼なじみで親友・今井伸二役の中尾もSNSの感想には目を通しているといい「登場人物全員がクズだというコメントもあったけれど、確かに登場人物全員がちゃんとしているようでちゃんとしていない。でも人間ってそんなもの。それが三浦監督の伝えたかったことかもしれない」と述べていた。

その三浦監督は公開後に映画館で本作を鑑賞し「この映画は見るタイミングや状況によって変わる映画で、僕が見たときは前田さんがとても良かった。自分でも思いもよらないところで感情が動いた」とリピート必須映画だと自負していた。

何回目でも楽しめるマニアックな見どころを聞かれると藤ヶ谷は「この映画は観てくれた方に答えを委ねるかたちで勝負しているので、観る時の心情によってちょっとずつ変わっていくのが面白いギミックの一つかな」と語った。裏注目ポイントを聞かれた中尾が「何度も言っているけれど、僕は洗濯物を畳むのが上手い。監督からの畳む数の要求が凄くて、あのペースで畳めるのは僕しかいない」と胸を張ると、藤ヶ谷は「それを言うならば、自分はその洗濯物をバックに入れるスピードが速い」と見どころに挙げて、中尾も「確かに!ギネスいけるかも!」と盛り上がっていた。

登壇者4名は舞台版からの仲。藤ヶ谷が「舞台時に比べて距離がより近づいたし、連絡先も交換してゴハンに行く約束をした。これは大きな一歩だと思う」と言うと、前田も「このメンバーに会うとホッとする」とニッコリ。中尾は「藤ヶ谷君が厳しい監督の演出にもめげず、現場の空気を常に明るくしてくれた。それがなかったら乗り切れなかったと思う」と座長のポジティブな立ち振る舞いに感謝していた。

藤ヶ谷は「舞台からトータルで考えると、ここまで長い期間同じ役のことを考える経験はこれからもないと思うので、この役と作品に巡り合えたのは財産。自分の中でも大切にしていきたい」としみじみ。三浦監督も「スルメじゃないけれど、見れば見るほど味が出る映画だと思うので、ロングラン上映が出来るように頑張ります!この映画がもっと全国に広がってくれたら嬉しい」と期待。

そんな三浦監督とのさらなる再会を楽しみにする藤ヶ谷は「なんかこの作品が生きるヒントになったらいいなって、この映画にはそういう力があると思う」と話し、「その時のコンディションとか気持ちとかでこの映画の見え方が変わると思いますので、これからの皆さんの人生の中にもこの映画がずっと残ったらいいなと思います」と本作の魅力と共にアピールしていた。

【ストーリー】
自堕落な日々を過ごすフリーターの菅原裕一(藤ヶ谷太輔)は、長年同棲している恋人・里美(前田敦子)と、些細なことで言い合いになり、話し合うことから逃げ、家を飛び出してしまう。その夜から、親友・伸二(中尾明慶)、バイト先の先輩・田村(毎熊克哉)や大学の後輩・加藤(野村周平)、姉・香(香里奈)のもとを渡り歩くが、ばつが悪くなるとその場から逃げ出し、ついには、母・智子(原田美枝子)が1人で暮らす北海道・苫小牧の実家へ辿り着く。だが、母ともなぜか気まずくなり、雪降る街へ。行き場を無くし、途方に暮れる裕一は最果ての地で、思いがけず、かつて家族から逃げていった父・浩二(豊川悦司)と10年ぶりに再会する。「俺の家に来るか?」、父の誘いを受けた裕一は、ついにスマホの電源を切ってすべての人間関係を断つのだが――。

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