「元気、最高な気分の『10%』を歌ったんだけど、体の水分は0%です。そろそろ(水分)補給をしておこうと…」と水を飲むと、「最後まで思いっきり楽しもうね!」と叫んだ後にしっかり飲み終わったペットボトルを小さく潰し、「ちゃんとペットボトルは潰して捨てましょう」と出演中のサントリーのCMもアピール。こういう細かな一言やつなぎ方にも、彼らがずっと大切にしてきた、日常を生きるファンに寄り添ったエンターテインメントの流儀が変わらず宿っていた。
続いてスパンコールの付いた黒タキシードに着替えると、BGMを演奏していた9人編成のビッグバンド“SNG BAND”が後方から登場。ここからは、2ndアルバム「東京SNG」の楽曲ブロックに。「Slow Jam」では切ない歌声でしっとり大人の哀愁を漂わせ、「シンゴペーション」ではかわいらしい声やスキャットで、ミュージカルのラストナンバーのようなにぎやかさと壮大さを感じさせる。曲ごとにガラリと歌い方を変えてどんな音楽にも対応するスキルの高さはこれまで発表した楽曲で証明してきたが、ここに来てさらに歌声が力強く伸びやかに。アリーナの天井を突き抜けるように豊かに響く声を聴きながら、まだまだ進化し続ける香取のポテンシャルに感激し、何度も驚かされた。
止まらぬ大きな拍手に「泣かすなよぉ~」と感激
「いったん座りましょう」という久々の掛け声で始まったライブ中盤、折り返し地点のMCでは、新しい地図の話も。
「イェー! カモン! 盛り上がってる? YES! COME ON! 汗で! 溺れそうだぜ! 最高の景色です、ホント。明治座や京都劇場でもショーをさせてもらったんですけど、こんな大きな会場でね、1人でライブする日が来るなんて、ほんとに感激です、ありがとう。(会場からの大きな拍手を全身でたっぷり浴びて)ありがとう。拍手で泣かすなよぉ~。昨日もやらせてもらって、有明アリーナは今日までで、3月に神戸に行きます。今日は渋谷ヒカリエでやっている個展「WHO AM I」(『WHO AM I SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR』2024年までに大阪、福岡、石川、福島を巡回予定)が渋谷ヒカリエでは今日まで。両方とも今日が最終日。あの~、ヒカリエのほうにはもう言ってあるので、『今日1万人がそっち行きます』って(笑)。さっき吾郎ちゃんから電話があって。昨日ね、(ライブを)見に来てくれたんです。その前に、大阪城ホールでファンミーティングをして、その時にこの『Black Rabbit』の話をしたら見に行きたいって言ってくれて、本当に来てくれて。でも昨日来てることを、僕が本当にもう、まっっったく忘れてまして。終わった後にスタッフさんから聞いて、『始まる前に言ってくれ』と(笑)。でも僕も聞いてたはずなので、あの…もちろん楽しんだんですけど、やっぱりさすがにいっぱいいっぱいだったのかなぁ? 稲垣吾郎が来ていることを全く忘れていた! それで今、本番直前に(稲垣から)電話があって。電話があるときってほとんどないんですよ。あの~いろいろと事件があったりとか。あの、いろいろと事件があったときしか鳴らないっていう(笑)。その稲垣吾郎が、『よかったよ、昨日』って。うれしかった。『あの曲で泣けたよ』とか『涙しちゃった』とか、『本当に素晴らしいショーだった』って言ってもらえて。こんなに長い付き合いなのに。吾郎ちゃんと僕が出会ったのはねぇ、僕が小学校5年生の頃。その頃からず~っと一緒にいるの。イヤになっちゃうよね(笑)。ハハハ! そんな吾郎ちゃんが褒めてくれまして。『自分のほうを見て、手を振ってくれるって。その時のうれしい思いってこういう感じなんだって分かった』って。…今さら!? だからこれからは、稲垣吾郎がたくさん手を振ってくれると思います。で、今日はね、草彅剛が! …来てないんですよ(笑)。みんなこうやって(草彅を探して振り向くファンのマネ)。ハハハッ! つよぽんはさすがに、来たい来たいとは言ってくれていたんですけど、ドラマ(『罠の戦争』)のほうが本当にお忙しいみたいで。明日だね? 明日2話。11話あるみたいなのでみんなも最後まで応援しましょうね。僕も主題歌を歌わせてもらっているので。あのね、さっき吾郎ちゃんが電話でね、『誕生日のくだりで(話を)振られると思った』って言ってた。『今日、吾郎ちゃん来てます!』みたいなのが来ると思ってあの辺でずっと待ってたって(笑)。“ここでそろそろ慎吾はオレのことを言ってカメラで抜かれるんだ”って思ってたのに来なかった』って言ってた(笑)」。
そして会場で誕生日を迎えた人を見つけて祝うと、「今日お誕生日の人も、昨日お誕生日の人も、明日お誕生日の人も、み~んな、お誕生日おめでとー!」と、「Happy BBB」を。ステージ上には、ビッグサイズの“くろうさぎ”も登場し、会場一体となって大盛り上がり。さらにゴージャスだけれど泣ける「道しるべ」を歌い上げ、花火も噴き上がる壮大なショーに、アリーナが大きく揺れていた。