“日生劇場60周年”イヤーにブロードウェーの最高傑作がやって来る。2023年4月と5月に東京・日生劇場にて、5月に名古屋・大阪・静岡・福岡にて、坂本昌行主演ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』が上演される。
作曲家メレディス・ウィルソンと劇作家フランクリン・レイシーによって共同制作されたブロードウェイ・ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』は、57年にブロードウェーで初演されるとトニー賞最優秀ミュージカル賞ほか5部門とグラミー賞ベスト・ミュージカル・シアター・アルバム賞を受賞しロングランを記録。その勢いは止まることなく、61年にウエストエンドで初演、翌年には劇場映画化し大ヒットを記録。さらに03年にはテレビ映画化もされた名作ミュージカルだ。
日本でも85年に野口五郎主演、10年に西川貴教主演で上演されている。なんといっても22年、ブロードウェーでヒュー・ジャックマン主演によってリバイバル上演されると瞬く間に話題となり連日満席、チケット入手困難といわれる大ヒットを記録した。
そんな話題作がこのたび、記念すべき日生劇場60周年イヤーの幕開きを飾るべく、演出にダニエル・ゴールドスタインを迎えて装いを新たに上演される。
物語の舞台はアイオワ州にある田舎町リバーシティ。そこに音楽教授と名乗る主人公ハロルド・ヒルがやってくる。彼は“ミュージック・マン”と呼ばれる詐欺師で、街の人々に演奏を教えると言ってマーチングバンドを作り、楽器や制服を売りつけてはお金を持ち逃げするという悪質商法を繰り返していた。そんな彼がある時、リバーシティで図書館の司書として働くマリアンと出会い、徐々に心引かれていくことで彼女に自分の正体を明かそうとするが、一方で街の人々に素性を暴かれてしまい…。
楽器セールスマンにして実は詐欺師の主人公ハロルド・ヒルを演じるのは、約30年にわたって数多の名作ミュージカルに出演し続けてきた坂本。16年には読売演劇大賞 優秀男優賞を受賞し、確かな演技力と歌唱力を発揮してきた坂本が、11年の『ZORRO THE MUSICAL』以来、12年ぶりに日生劇場に登場して60周年イヤーの開幕に花を添える。あのヒュー・ジャックマンも演じた主人公ハロルドを坂本はどのように演じるのか、ぜひ劇場でご覧あれ!
[坂本昌行コメント]
本作の出演が決まった時、ヒュー・ジャックマンが主演した『THE BOY FROM OZ』を自分が日本で上演させていただいたこともあり、勝手に縁を感じました。今回演じるハロルドは決して悪ではなく、明るく純粋で優しい心を持ち併せている人物だと思っています。現在、ブロードウェーでヒュー・ジャックマンがハロルド役を演じていますが、彼が持っている明るさはハロルドと共通するものがあるので、その辺りを参考にしながら自分らしいハロルドをお届けしたいですね。今、本番中の舞台『凍える』とはまさに真逆な作品ですが、役者にとってこれほど振り幅がある役をやらせていただけるのはうれしいことです。初舞台でミュージカルと出会い、その衝撃が今でも忘れられないほど自分にとってミュージカルは大切なモノです。今作品も自分にとって忘れられない経験になる予感がします。一日も早く稽古を行い、そして幕が開くのを楽しみにしています。今回演出を担当していただけるのは、ブロードウェーほか、世界で活躍するダニエル・ゴールドスタイン氏です。海外のクリエーターと一緒に仕事をする上で心掛けていることは、海外の作品、役だからといってオーバーアクトにならず、純粋に頂いた役を演じるだけです。後は、どれだけ自由に演じられるかを心掛けています。まだ世の中が落ち着かない中での公演ではありますが、劇場で観劇される際は不安なことや嫌なことを全て忘れて、思いっきり作品を楽しんでいただきたいと思います。
東京公演は2023年4月11日(火)~5月1日(月)まで東京・日生劇場。以降5月に愛知・御園座、大阪・梅田芸術劇場メインホール、静岡・静岡市清水文化会館マリナート、福岡・博多座にて。地方公演の詳細は追って発表予定。