甲本雅裕と浜中文一が出演する二人芝居、舞台『テーバスランド』が6月17日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて開幕。初日を迎えるに当たり、前日16日に公開ゲネプロが行われ、甲本と浜中からコメントが届いた。
スペイン語圏演劇界で今最も注目を集めるウルグアイの劇作家セルヒオ・ブランコによって書かれた本作『テ―バスランド』はモンテビデオ(ウルグアイ)での初演以降、ラテンアメリカやヨーロッパ諸国、インドでも上演。世界17カ国で翻訳され、2016年にはオフ・ウエスト・エンド・シアター・アワードにて最優秀製作賞を受賞するなど、世界各国で評価され注目を集め、今回が日本初演となる。演出は大澤遊が手掛ける。
物語は、劇作家S(甲本)が父親殺しの物語である演劇作品『テーバスランド』を企画・制作した経緯を観客に回想しながら語るところから始まる。現代のオイディプスを求めていた劇作家Sは、父親殺しの罪で終身刑に処されていたマルティン(浜中)と出会うが、犯罪者を舞台には上げられず、俳優フェデリコ(浜中・2役)と作品を創り上げることに。劇作家Sとマルティンの交流、そしてフェデリコとの稽古、それら濃密な時間を過ごすうち、いつしか現実と虚構が交錯していく―。
日常の中に存在するリアリティーと懐深い表現力で魅了し、連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」での好演も記憶に新しい甲本と、演劇作品を中心に活動しながら培ってきた硬軟自在な演技力に注目を集め、近年目覚ましい躍進を続ける浜中。芝居巧者がたった二人だけで創り上げる濃密な空間に、どうぞご期待を。
[劇作家S役:甲本雅裕コメント]
山越え谷越え沼越え闇超え、やっとここまでたどり着きました! しかし残念ながら、まだ完成には至っておりません。後は6月17日から7月3日までの最終通し稽古に皆さんに来ていただいて初めて完成となります。楽しい舞台を創り上げるため、奮ってご参加いただけますよう、よろしくお願いいたします! KAAT大スタジオでお待ちしております。
[マルティン/フェデリコ役:浜中文一コメント]
テーバスランドという作品は何なのか。すごく小さな引っ掛かりが連鎖していき、物語が進んでいきます。大きなドラマはないけれど、気付いた時には最初と最後の印象が変わっていると思います。皆さまも僕たちと一緒にテーバスランドという作品を作り上げ、成長させましょう。
公演は7月3日(日)まで同所にて。また6月30日(木)の終演後には、翻訳の仮屋浩子と演出の大澤遊によるアフタートークショーの開催も決定している。
舞台写真撮影◎岡千里