11月19日(土)に東京・自由劇場にて開幕する、屋良朝幸主演のオリジナルミュージカル『りんご』。
長く不可能とされていた農薬、肥料、除草剤を使わない自然栽培でのりんご作りに成功した木村秋則氏の人生と、その家族の実話を基にした物語だ。モデルとなった木村氏役を屋良が体当たりで挑む。
本作は自然と向き合う姿、激しい情熱、時にユーモラスな温かみのある語りを、豊かなカントリー風楽曲や、激しいロックサウンド、ラップを使ったオリジナルナンバーでつづり、エンターテインメント満載のミュージカルとして上演する。出演は屋良のほか、梅田彩佳、Micro(Def Tech)、細貝圭、林アキラ、川上一哉、加藤良輔、川原一馬、斎藤准一郎、白木原しのぶ、大倉杏菜、岸祐二、吉沢梨絵、松澤一之ら実力派が名を連ねる。
開幕を直前に控えて『りんご』の公開稽古がオンラインで開催され、稽古風景の写真と公式リポートが届いた。
披露されたのは作品の冒頭部分、3つのナンバーを含む15分程度だ。木村秋則役の屋良と、その妻・木村ミチコ役の梅田彩佳によるしっとりと聴かせるナンバーや、秋則の兄・ハルヒコ役のMicroによる軽快なラップ、ミュージカルらしいラインダンスなど、多彩な楽曲やダンスに加えて、テンポの良いコミカルな掛け合いも混ざり、自然と笑顔が込み上がるシーンが公開された。
公開稽古の後には、屋良、梅田、Microによる取材会も行われ、オリジナルミュージカル「りんご」の魅力について、屋良は「木村秋則さんの人生を描く物語ですが、これからの地球にとって大切なメッセージをサラッと描いています。なぜサラッとかというと、エンターテインメント要素がとても強い中でもサラッといいことを言ってるんです。これからの人類のために知らなければいけないことを押し付けるわけではなく、エンターテインメントだからこそ楽しく見せることができて、地球のために何ができるか、次の世代にどのように伝えていけばいいかということが込められているところが、オリジナルミュージカル『りんご』の魅力です」と語った。梅田は、「おもちゃ箱がどんどん開いていくみたいに物語が次々と進んでいって、最終的には感動しているというミュージカルになっています」とワクワク感を表現し、Microは「さまざまな音楽に歌を乗せていくことができるミュージカルだからこそ伝えられることがあるので、それに乗せて思いを伝えていくことが今回の使命だと感じています。一回じゃ見きれないと思う! 内容も2度、3度と見て、深まっていきます。ぜひ何度も見てください!」と熱く語った。
見どころについて問われると、屋良は「音楽の幅が広い。ラップやカントリー調など、こんな幅広い音楽のジャンルを使うミュージカルは見たことないし、ミュージカルというカテゴリーをぶち壊していると思う」と新たな挑戦を披露することを心待ちにしている様子。そんな屋良座長率いるカンパニーの雰囲気について梅田は「こんなに笑いが絶えない稽古場は初めてです。屋良さんが舞台裏の様子を撮影して自らナレーションを入れたり編集してくれていて、HPなどに上がっているので、この仲のいい雰囲気が伝わればいいなと思います」と笑顔で話した。Microも「自分は音楽の畑でやってきたので舞台の現場は慣れ親しんでいませんでしたが、垣根を取っ払って、みんなによくしていただいています。感謝しかないです」と話し、インタビュー中も終始リラックスした雰囲気で笑いが起こる場面があるなど和気あいあいとしていた。最後に、屋良から「次の世代に残していけるものはなんだろう?と考えさせられる作品になっています。それをエンタメとして昇華させることで、お客さまが見終わった後に身近でできることを考える一つのきっかけになれば」と取材会を締めた。
公演は11月19日(土)~12月7日(水)まで、東京・自由劇場にて。
©オリジナルミュージカル「りんご」製作委員会
撮影◎岩田えり