半世紀以上にわたり愛されている市村正親主演のミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』が東京・日生劇場にて開幕した。
物語の舞台は1905年、帝政ロシアの時代。アナテフカという寒村で酪農業を営むお人好しで働き者のテビエとその妻ゴールデ、娘たち──。家族の愛と絆が描かれる名作だ。出演はテビエ役の市村、ゴールデ役の鳳蘭ほか、凰希かなめ、唯月ふうか、屋比久知奈、
上口耕平、植原卓也、神田恭兵、ブラザートムほか。
初日公演のカーテンコールであいさつに立った市村は「本日は初日をご観劇くださり、本当にありがとうございました。コロナで世界のエンターテインメントが苦しんでおります。ブロードウェーもウエストエンドもまだ再開のメドが立っていない。そういう中で、今日『屋根の上のヴァイオリン弾き』が初日を迎えられることは、(劇中ナンバーの)モーテルの歌じゃないですけれども、“奇跡”でございます。稽古場から昨日の通し稽古までは、ずーっとマスクをしていました。(だから)今回、新しいメンバーがたくさんいて、どんな顔をしているのか、昨日ようやく拝見することができました、非常にうれしかったです。…本当はお客さまのお顔も見たいんですが、もう少し辛抱ということで頑張っていきたいと思っています」と、開幕を迎えた思いを語った。
公演は3月1日(月)まで同所にて。以降、愛知、埼玉公演あり。
写真提供◎東宝演劇部