零(L.E.I. / THE RAMPAGE川村壱馬)が、3作目となる楽曲「Crisis」をリリースした。グループのメンバーであり、厚い信頼で結ばれているYAMASHO(山本彰吾)と共に作り上げた楽曲を、YAMASHOの誕生日である10月6日にリリースした思いを聞いた。
――今回、YAMASHOさんと2人で楽曲制作をすることになった出発点前からお伺いしたいです。かなり前から話し合っていて、今というタイミングを迎えたのでしょうか?
そうですね。「一緒にやりたいね」ということ自体は、ずっと前から話していました。それこそ僕のソロデビューよりも前。MA55IVEとも別で、一対一でラップをしてコラボしたいよねって話していて。THE RAMPAGEのライブでは、YAMASHOさんが踊って僕がラップする…というのは叶っていましたけど、やっぱり作品として1曲作りたいっていうのは、ずっとタイミングを見計らっていたというか。「ソロデビューしたら一緒にやりましょう」って何年か前から言っていたんですよ。そして僕が「零」としてデビューした今年、曲作りの話が動き始めました。
――そして、曲の内容はどのようにして決めたのですか?
YAMASHOさんと2人で僕の家で飲んでいる時に、お互いの身近に起きたことなどを話をしていろいろと考えるところがあって。何も言わずにいっちゃったこと、いくら連絡していても連絡がつかなかったこと、そのまま抱えて行ってしまったこと…。そういう悔しさや、やりきれなさを共有しました。その中で、もし僕らがコラボをするならちゃんと人のためになる楽曲を作りたい、という話もして。テーマとしてはかなり重たいですが、「命」を扱った曲にしようと決めました。
――曲作りは、どんなふうに進めていったのでしょうか。
まず最初に、曲や音をどんなものにするか、BPMはどれくらいにするか、曲の雰囲気なども含めた方向性を、YAMASHOさんとディスカッションしました。それを全部メモして持ち帰り、自宅スタジオで曲作ってみたりして、「これどうですか?」「めっちゃいい感じ。ここはもうちょっとこんな風にできる?」「分かりました、もう一回作ってみます」っていうやり取りを重ねて、おおまかな土台が出来上がったところでJUGEMくんにアレンジメントをお願いしました。そのあと、「SUMMER SONIC 2025」大阪公演の帰りに、新幹線を降りてそのままJUGEMくんのスタジオにYAMASHOさんと行って。3人でたくさんディスカッションしていくうちに、ようやく音ができていきました。その2日後にはRECだったので、そこからリリックを書いた…という流れですね。
――すごいスピード感ですね。では、スタジオに入った時に初めて、お互いのリリックを見たのですか?
そうです。ただ、フックに関してはRECの前日に「こんな感じしようと思ってるんです」と送っていましたけど、ほとんどスタジオに入って初めて知る、っていう感じでしたね。「大丈夫だろう」って任せてる部分が、お互いにちゃんと…
――絶対的な信頼感がそこにはあるわけですね。
そう。変にカッコつけたこととかは書いてこないだろうと思っていたし、こういうすごく大事なものをテーマとして扱う中で、“絶対変な風にはならんやろ”っていう絶対的な信頼がお互いにあったので。バースに関しては完全に任せる感じでしたね。
――事前に方向性を話していたとはいえ、それぞれが書いて持ってきて、ここまでリリックがぴったり合うのがすごいなと思いました。さすがのお二人だなと。
ははっ。めっちゃ気持ちよかったですね。 こんな気持ちいいぐらいにハマるんやって僕も思いました(笑)。まぁ…いろいろ話していたんでね。たとえば、それぞれの価値観とかもお互いに感じ取っていたから。その結果としてこういう形になったっていうのもあったとは思うんですけど。特に僕は、一昨年ダウンしちゃった時期もあったりして…。自分の書くリリックは、今しんどい人たちと同じ目線で語れる部分があると思ったんです。YAMASHOさんパートはそうではなく、広い視野で、一歩離れたところから問いを投げかけるみたいなイメージで、あくまでフィクションとして“自分以外の誰か”の物語として語っているんです。 でもそれも実はノンフィクションで…という。お互いへの信頼はあったし出来上がってくるものに不安もなかったんですけど、こんなウソみたいに全部うまくいくか?っていう思いはありましたね(笑)。
――おっしゃるように、YAMASHOさんと零さんの視点が違うのも大きくて。2人が全く同じ視点で書いていたとしたら、楽曲の意味合いも変わってきたかもしれないなと思います。
ですよね。もし僕もYAMASHOさんと同じ目線で書いていたら、本当にしんどい人、心を病んで明日にでも消えてしまいたいと思っている人からは「こっちの気も知らないで」と思われてしまうかもしれない。自分自身がそういう思いを抱えた経験が何回もあるからこそ、すごく分かるというか…。歌詞の中で共感できる部分がなければ、届かない気がしたんです。そしてそういう当事者目線のリリックの後にYAMASHOさんの「いやいや、何言ってんだよ」って引き上げてくれるフックが生きてくる。フックの前のクッションになる歌詞が必要だというのもあって、僕もこういうリリックを書いたんです。
――フックはこうする、と事前に決めていたんですもんね。
フックは絶対に救い上げるような方向性にしたかったし、そういうメッセージを届けられたらいいよねと話していました。それは最初から決まっていたので、うまくビルドアップできたなと思いますし、思った以上にハマってうれしかったですね。













