続く、EXILE THE SECONDパートに突入すると「Going Crazy」に導かれたパーティータイムは、タオル回しで一気にヒートアップ。「YEAH!! YEAH!! YEAH!!」「ASOBO!」では、いつもは最年長らしく振る舞っている橘ケンチやTETSUYAも、アンダーグラウンドで出会った頃のようなやんちゃな笑顔を浮かべ、遊び心溢れるパフォーマンスで観客を沸かせる。と思いきや「瞬間エターナル」では息の合ったダンスを披露し、仲間と築いた時間の大きさを刻んだ6人。最後は、AKIRAの加入後、6人体制のEXILE THE SECONDとして初めて発表したシングルから「RAY」を届け、颯爽とステージを後にした。
ライブ中盤には、ATSUSHIとTAKAHIROが「Lovers Again」「Ti Amo」という2大バラードをバンドサウンドが映えるニューアレンジで披露 。それぞれの楽曲でパフォーマー陣も情熱的なダンスを繰り広げ、ドラマチックなステージで観客を魅了した。
ATSUSHIが平和の願いを託したバラード「願い」が会場を包み込む頃、ライブは早くも後半へ。オールメンバーによる「This is My Life」や「VICTORY」「Ki・mi・ni・mu・chu」といった人気曲たちが、時に勇ましく、時に華やかに場内を彩る。この日初めてのMCではTAKAHIROが「今日はちょっと涙腺が……。メンディー、ちょっと顔見ていい?(笑)」とおどける一幕もあったが、関口メンディーの笑顔に後押しされるように仕切り直すと、「愛すべき未来へ」で本編を締めくくった。
アンコールは、「EVOLUTION」「FIREWORKS」といったEXILEのさまざまな楽曲をダンストラックにアレンジしたダンスショーケースからスタート。さまざまな世代のメンバーが己の個性を爆発させて、EXILEとしての生きざまをダンスに落とし込んでいく。おそろいのジャージで24karatsメドレーを披露する中で、次々にメンバーが上半身裸になっていく熱い連鎖も、彼ららしい感情表現で勇ましい。EXILEのヒストリー映像の先に「道」が続く展開も、観客の心を震わせるものだった。見つめ合いながら歌い始めたATSUSHIとTAKAHIROは、2番では頼もしい歌声に背中を預け、パフォーマーと共にファンへの感謝を歌に乗せる。今では卒業ソングとして多くの人に愛されているこの曲が、今日は大切な仲間の門出を祝う楽曲として響いていた。
メインのMCタイムでは、事前のインタビューでも「名古屋公演のMCでファンの方と一緒に48000人と一本締めをした後、鳴りやまない拍手を頂いたのは本当に一生忘れられない思い出になりました。コロナで歓声が聞けないので、ファンの皆さんのクラップ音は心に響きました」と語っていた黒木の「皆さんの幸せを願って…」という掛け声を合図に、温かなワンクラップ(一本締め)が響き渡った。名残惜しそうに、アーティストとして過ごした17年間への感謝を何度も叫ぶ姿が、ツアー中、何度も「引退しないよね?」と茶化していたTAKAHIROの涙さえも誘う。ファンの温かい眼差しの中、黒木は最後に「二代目J SOUL BROTHERS、EXILE THE SECONDと、アーティスト人生17年間、そしてEXILE 14年間、たくさんの応援、思い出をファンの皆さんと一緒につくり、人生を共に歩めた時間は大切な宝物です。本当に温かい応援ありがとうございました」と最後のあいさつをした。
その一方で、アンコール前には、12月にツアーの続編ともいえる「EXILE LIVE TOUR 2022 “POWER OF WISH” ~Christmas Special~」を開催すること、EXILEのオリジナルメンバーである松本利夫(MATSU)、ÜSA、MAKIDAIが参加するといううれしい発表もあり、客席からは悲鳴にも似た歓声が上がった。このサプライズ発表に対し、ATSUSHIは「この業界に残る人間として、LDHの人間として、やらない理由がありませんでした。今年いっぱいもう少しだけ、皆さんと一緒に夢を見させてください」と涙ながらに語り、「とにかくEXILEというグループの、表現の温かさとかファンタジー感、夢を広げていくような希望にあふれた感じを、クリスマスソングや冬の曲など交えながら、今年最後の締めくくりを皆さんと一緒に過ごすことができたらいいなと思います」とコメント。TAKAHIROも「ようやく皆さんと、クリスマスシーズンを直接同じ空間で共有できることが本当に楽しみです。冬のワクワク感をEXILEのエンターテインメントを通して全身で感じていただける内容にしたいと思います」と前向きなメッセージを寄せた。
そして、明るい未来を見据えながら届けるラストナンバーは「Choo Choo TRAIN」。MATSUが発明したという“回転前のポップ”を受け継いだ黒木を先頭に、全員でロールダンスを踊ったEXILEは、15人で駆け抜けた青春の日々にピリオドを打ち、新たな一歩を踏み出した。