6月に東京・Bunkamuraシアターコクーンにて、7月に京都・京都劇場にて上演予定のCOCOON PRODUCTION 2021 DISCOVER WORLD THEATRE vol.10『夜への長い旅路』。
ノーベル文学賞受賞、ピュリッツァー賞4回受賞などの輝かしい足跡を誇り“アメリカ近代劇の父”と称される劇作家ユージン・オニール。DISCOVER WORLD THEATREの第10弾には、この偉大なる劇作家の遺作となった『夜への長い旅路』が登場する。オニール自身の青春時代における、凄惨(せいさん)な家族の姿を描いた自伝劇といわれる本作は、彼の死後、妻によって発表され4度目のピュリッツァー賞を獲得し、アメリカ最高の作家とされるオニールの評価を決定付けた。
戯曲冒頭に付けられた妻への献辞の中で、オニールは本作を「血と涙でつづられた、古い悲しみの劇」と記している。『夜への長い旅路』は、悲劇的な家族の歴史を人間の真実を突く普遍のドラマに昇華させ、自らの人生に“赦し”を与えたオニールの代表作でもある。
本作の演出を手掛けるのはDWTシリーズ最多登場、シアターコクーンでの舞台作りが5作目となるイギリス演劇界のトップランナー、フィリップ・ブリーン。人間を深く見つめて物語を繊細に紡ぎだすことで定評のあるフィリップが、実力派俳優4人を迎えてオニールの最高傑作に挑む。
英国気鋭の演出家フィリップ・ブリーンの指揮下、フィリップに厚い信頼を寄せる大竹しのぶ、4年ぶりの舞台出演となる大倉忠義、初舞台に挑む杉野遥亮、フィリップとは初タッグとなる池田成志がシアターコクーンに集う!
ある家族の、夏のある一日の物語。心揺さぶる濃密な会話劇が繰り広げられる。日本のみならず、世界中で繰り返し上演されている本作に、これ以上ない豪華なキャストが顔をそろえた。常に精神が不安定な母メアリーに大竹しのぶ、アルコールに溺れて父親のすねをかじって道楽を繰り返す長男ジェイミーに大倉忠義、結核を患っている次男エドマンドに杉野遥亮、アイルランド系移民で金銭に対して異常な執着を持つ俳優の父ジェイムズ・タイロンに池田成志。
本作が4年ぶりの舞台出演となる大倉忠義は公演に向けた思いを語った。
「以前から、大竹しのぶさんに“一緒に舞台をやりたいね”とお声を掛けていただいていたんです。今回やっと実現する!と思って詳しい話を聞く前に“やります!”と即答し、後になって作品の内容や演出の方についての情報を知って、これはものすごいハードルだぞ…と若干ひるみました(笑)。でも映像にはなかなかない、演劇だからこそできる内容だと思うし、この作品にどっぷり浸かることで自身のレベルアップにつなげていかなくてはと。しのぶさんと同じ舞台に立ちたい人は山ほどいると思うので、こんなすてきな場所に誘っていただけて、本当にありがたいなと思います。今、多くの方がつらい状況にいると思います。芝居のテーマは重いかもしれないけれど、始まりから終わりまで、つらい現実をちょっとでも忘れて没入できる…、そんな体験をしていただけたらうれしいですね。皆さんに豊かな時間を提供できるよう、頑張りたいと思います」
なお、本公演の詳細は後日発表される。