第2回目のインタビューでは、橘ケンチがこれまで歩んできた日々を振り返る。
今ではデビューする後輩たちの登竜門となった“武者修行”を始めた第一世代としての経験談と、共に活躍する後輩たちへの思いも語ってもらった。
橘が語る、LDHのルーツ、この先の未来とは。
初の武者修行を振り返り、続く後輩たちに願うこと
――GENERATIONS from EXILE TRIBEをはじめ、Jr.EXILE世代と呼ばれる後輩の皆さんも現在大活躍されています。皆さん、全国でパフォーマンス行脚をする“武者修行”を経てデビューされてきましたが、橘さんたちが決行した武者修行が第1回目ということで、始まりの歴史を教えてください。当時を振り返ると、武者修行というのはどんなものでしたか?
1回目の武者修行のときは、EXILEっていうグループがあって、EXILEの周りにEXILESっていう括りがあったんです。その中には当時、MAKIDAIさんや ÜSAさんがやっていた“RATHER UNIQUE”っていうラップグループがあったり、ATSUSHIくんがやっている“COLOR”っていうグループがあったり。そういうEXILEファミリーの中の、EXILEメンバー以外の所属メンバーたちが、よりEXILEメンバーに近づけるように力をつけようということでバス1台借りて、日本全国ライブをして回ったんです。当時、僕はダンサーとしてそこに参加させてもらっていました。武者修行はそういったさまざまなチーム5つくらいで一緒に回って。その中にはラッパーやダンサー、シンガーもいました。なので…とてもカオスでしたね(笑)。はちゃめちゃでしたよ(笑)。まとまらないし、日々ケンカもしていたし。
――武者修行での印象的な出来事はありましたか?
“ageHa”っていうクラブがあって、そこでファイナルライブをしたのを鮮明に覚えています。それがいいキッカケになって、僕らは2代目J Soul Brothersに入ることができたんですよね。それで、J Soul Brothers がデビューするまでまた武者修行をやろうということになって。今度は1つのグループのメンバーだけだったので、平和でした。みんな自分たちのグループが売れるためにやるわけですから。そういう意味でも、1回目より2回目の方がはるかにやりやすかったです(笑)。そうして日本全国の方々の前で実際にライブパフォーマンスをして、自分たちも成長しながらちょっとずつ応援していただく方も増えていって。デビューまで武者修行で頑張るっていう流れは、きっとこの辺りで形作られたんじゃないかなと。それが今はLDHの伝統芸みたいになったんですよね。そのあとDREAMがやったり、GENERATIONS from EXILE TRIBEとか後輩たちが続いて。手探りで大変なことばかりだけど、今の若い子たちも必ず通っておいた方がいい道だと思います。あとあとここでの経験が生きてくるし、そこがきっと原点になるので。
気になる後輩たち
――以前、TVfanのインタビューでTETSUYAさんが小さい頃の世界さんを知っているとおっしゃっていました。橘さんも、横須賀にいた頃から世界さんを知っていらっしゃったのですか?
知っていました。小生意気なガキでね。ハハハ(笑)。当時は小学生くらいだったんじゃないかな。踊りがすごくうまくて。横須賀にある“Sweat”というダンススタジオでTETSUYAが教えていたんです。そこに世界もよく来ていて。僕らはそこで知り合いました。大人のメンバーの中に1人いる子どもで、でもなんか踊りがうまいからみんな認めてるみたいな…すごく特殊な存在ではありました。まぁ、まさかその世界がEXILEになるとは思ってなかったですけど(笑)。
――メンバーに決まった時のお気持ちはいかがでしたか?
なるべくしてなったと思います。世界って本当にダンス命で、ダンスに全てを懸けているタイプなので。EXILEも、HIROさん、MATSUさん、MAKIDAIさん、ÜSAさんたちダンサーから始まって。メジャーの世界に入ってからはアーティストとして活躍されていましたけれど、でもやっぱり原点はダンサーで。今のJr.EXILE世代でダンスだけにどっぷり浸かっている存在としては世界が一番なんじゃないかなって思います。改めてEXILEが第4章に入り、新しいメンバー5人が加入するときに、彼のような存在がEXILEに入ってくるということはすごく貴重だなと思いました。彼はEXILEの原点やルーツを思い起こさせてくれるので。
――橘さんご自身も、世界さんといることで原点に戻れるような感覚があるんですね。
そうですね。EXILEに新たに入ってきた5人の中でダンスの話を今でもよくするのは世界くらいじゃないかな? 他のメンバーは、他のグループのことや役者業のこととか、また別の話をするんですけど。世界とはいつでもダンスと音楽の話ばっかりしています。