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ステージ上に35人のオーケストラを従えて 堤真一と橋本良亮が迫真の演技を見せる異色作

“俳優とオーケストラのための戯曲”という副題を持つ舞台「良い子はみんなご褒美がもらえる」が4月20日、東京・赤坂ACTシアターにて開幕。初日前日の4月19日に、公開ゲネプロと会見が行われた。

本作は、舞台「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」「アルカディア」、映画『恋に落ちたシェイクスピア』等で日本でも多くのファンを持つ英国劇作家の巨匠 トム・ストッパードが俳優とオーケストラのために書き下ろした異色作で、日本初上陸。彼の作品の特徴でもある言葉遊びと明瞭なユーモアと哲学的観念がふんだんに盛り込まれ、オーケストラがBGMや歌の伴奏を演奏する影の存在ではなく、劇中に登場するというかなり斬新な作品だ。“俳優とオーケストラのための戯曲”の副題どおり、キャストたちはステージ上に並んだ35名のオーケストラを従えて芝居をする。

独裁国家の病院の一室を舞台とし、誹謗罪で捕まった政治犯の男アレクサンドル・イワノフと、自分はオーケストラを連れているという妄想に囚われた同姓同名の男アレクサンドル・イワノフがこの物語の主人公。社会からはみ出てしまった二人がそれぞれの自由をどう得ようとするのか。社会はどう扱うのか?

主演は堤真一とA.B.C-Zの橋本良亮。誹謗罪で捕まった政治犯の男を堤、オーケストラを連れているという妄想に囚われた男を橋本が演じている。共演は小手伸也、シム・ウンギョン、斉藤由貴、外山誠二ら。演出は英国ロイヤルバレエを中心に世界的に活躍、2014年にR.オルビエ賞を受賞しているウィル・タケットが務めている。

公開ゲネプロの前にステージ上で行われた会見には、堤、橋本らメインキャストと演出のウィル・タケットが登壇。公演に向けての意気込みや作品内容について語った。

堤「意気込みですか? これからゲネプロなんで、そこに集中したいなと(笑)。…いい作品になればと思っています。今日(のゲネプロ)を含め、明日も稽古があるので、少しでもいい作品にしたいです。35人のオーケストラと一緒に芝居をするのは、初めての経験だし、これからですかね、感じるのは。自分にはオーケストラが見えてない設定だし、音楽にのってセリフを言うわけではないし、だからまだ客観的に見られない。(こんな台本を)書く人もいないし、金もかかる。こういう作品は初めてです(笑)」

橋本「明日から本番ですけど、このメンバーと、スタッフ皆なさんと、オーケストラ35人で、力を合わせて頑張ってます。(ステージ上で)他の人には見えず、僕だけがオーケストラが見える設定なんです。でもお客さんには見えているんですね。実は難しい役をやっているわけで、それをどう芝居に生かそうかを考えてます。ただ、最初、オーケストラとの稽古が3日間あると聞かされていたのに、実は2日しかなくて焦りましたが(笑)、楽しみにしています」

ウィル「この作品は、野心的な作品ですが、幸いにもフルオーケストラと、スタッフと、素晴らしい役者をそろえて公演します。非常にユーモアがあるのでさまざまな世代のお客さんに届く作品です。また、普段は芝居を観ない方でもダンスや音楽などさまざまな楽しみどころがある優れた作品です」

 (前列左から)橋本良亮、堤真一、斉藤由貴、シム・ウンギョン  (後列左から)ウィル・タケット、外山誠二、小手伸也

(前列左から)橋本良亮、堤真一、斉藤由貴、シム・ウンギョン 
(後列左から)ウィル・タケット、外山誠二、小手伸也

公演は5月7日まで同所にて。その後、5月11日~5月12日大阪・フェスティバルホールにて。

撮影/阿部章仁

 

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