世界的ロックバンド、ビートルズはもともと“5人編成”だった――。
舞台「BACKBEAT」の製作発表が、4月15日に東京都内のライブハウスを使って行われた。
舞台「BACKBEAT」は、20世紀を代表する伝説のロックバンド・ビートルズの創成期、ハンブルグで巡業していた時代を描いた伝記映画『BACKBEAT』(1994年公開)を、監督のイアン・ソフトリー自身で舞台化した作品。
ビートルズ結成時、5人編成だった当時のベーシストで、デビュー目前に21歳で夭折したスチュアート・サトクリフにスポットを当て、学生時代からの親友であり彼を敬愛していたジョン・レノン、そしてポール・マッカートニー、さらに、ハンブルクでの出会いにより恋人となる写真家のアストリッド・キルヒヘルら、若者たちの揺れ動く心を繊細に描き出す青春群像劇だ。
日本初演となる本作の演出は、演出家・劇作家として、オリジナルミュージカルの作・演出で好評を得ている石丸さち子。音楽は、アーティスト活動と並行して様々なアーティストへの楽曲提供を行い幅広く活躍している森大輔が手掛ける。
スチュアート・サトクリフを演じるのは舞台や映画、バラエティーなどでマルチに活躍するA.B.C-Zの戸塚祥太、ジョン・レノン役は俳優・アーティストとして無二の存在感を放つ加藤和樹、ジョージ・ハリスン役は舞台での活躍が特に目覚ましいふぉ~ゆ~の辰巳雄大、当時はギターを引いていたポール・マッカートニー役はFUZZY CONTROL のギタリスト・JUON、ドラムのピーと・ベスト役はミュージカルなどで活躍する上口耕平がそれぞれ務める。スチュアートの恋人役となるアストリッド役はモデル・女優として注目を集める夏子、そして多数の舞台作品に出演し物語に奥行きと深みを与える演技巧者・鈴木壮麻、さらには1966年にビートルズが初来日公演を行った際に前座を務めた尾藤イサオら、確かな実力と個性豊かなキャスト陣がそろった。
製作発表の場になったのは、東京のライブハウス「新宿LOFT」。会見の冒頭には、ビートルズの5人のメンバーを演じる戸塚、加藤、辰巳、JUON、上口たちの生演奏による楽曲披露が行われた。1曲目は、チャック・ベリーの「ロックン・ロール・ミュージック」で、ジョン・レノン役の加藤がギター演奏をしながらシャウト。演奏を終えると加藤が「今日は特別に我らがベースプレイヤーのスチュアート・サトクリフが歌います」と紹介。2曲目は、戸塚が、エルビス・プレスリーの「ラブ・ミー・テンダー」を甘い声で歌い上げた。集まった取材陣の拍手に送られて一旦ステージすそにはけ、ここから会見が行われた。会見には戸塚、加藤、辰巳、JUON、上口のほかに、夏子、鈴木壮麻、尾藤イサオ、そして作・演出の石丸さち子と総勢9名が登壇。それぞが公演に臨む思いを語った。
戸塚「バンドとしてみなさまの前で演奏するのは初めてで、気分が高揚しています。初めてバイクに跨ってエンジンを掛けた時のように、自分の中に新しい命が生まれたみたいな感覚ですごい楽しかった。“バンドが起こすマジック”を初体験してしまった感じです」
加藤「20曲もの楽曲を舞台で毎日演奏します。皆さんの前で演奏して、初めて“俺たちバンドなんだ”と思いました。このバンドのグルーブ、そしてたぎるような若さと情熱を多くの人に届けていきたいです」
辰巳「実は私、ほとんどギターを弾けない状態から始めました。2月くらいからギターのレッスンを始めたのですが、レッスン初日の皆さんの“大丈夫か”というドキドキした顔は忘れられません…本番では、ジョージ・ハリスンとしてお客様をドキドキさせます。この舞台が終わっても、このバンドメンバーでライブツアーをやりたいなと思いました」
JUON「セリフがある舞台というのは初挑戦に近いので、皆さんと“get together”しながら、全力でやっていきたいです。演奏の時に興奮のあまりギターの弦をいきなり切ってしまったんですが、これぞロックンロール・ミュージックです。ポール役なので、左でギターを弾いてます」
上口「ドラムの席は特等席なんです。お客様の表情も見られるし、メンバーのテンションもわかります。ピートは結成当初のビートルズのリズムを支えてきた男です。だから僕もピートのようにみんなを支えていきたい。そして、観に来てくれたお客さんが“ピートもビートルズに残っていたらよかった”と思ってくれる人が1人でもいたらうれしいです」
夏子「初めての舞台出演でとても緊張していますが、がむしゃらに石丸さんについて行きたいです」
鈴木「後にビートルズのマネージャーとなるブライアン・エプスタインほか4役を演じます。すてきな若者たちのプロデュースを俺がやるんだと、ひしひしと感じてます。若者たちのたどった軌跡に寄り添って行きたいです」
尾藤「皆さんの先ほどの演奏、グーです! ほぼ一夜漬けだったそうで、よくここまでやりましたね。お客さんに喜んでもらえるよう最後まで頑張りましょう。僕が役に立つことや、僕が答えられることは答えますよ」
1
2