映画『僕らの千年と君が死ぬまでの30日間』の完成披露イベント舞台挨拶が9月19日（火）に行われ、Ｗ主演を務めた辰巳雄大（ふぉ～ゆ～）と浜中文一、小西桜子、菊地健雄監督が登壇した。

2021年7月号から『月刊プリンセス』(秋田書店)で連載が続くnaked apeの漫画、2023年9月24日に大千穐楽を迎える舞台、そして10月27日に公開される映画と、３つのメディアを通して一つの物語を紡ぐ一大プロジェクト『僕らの千年と君が死ぬまでの30日間』。人魚の子孫の命とひきかえに死から救われ、不老不死となった2人の男の数奇な運命と宿命が、平安時代から現代まで千年にわたり描かれていく。映画版では、記憶を失った男・草介と彼に寄り添う光蔭、そして2人の前に現れた舞の、残された30日間が紡がれる。

映画初主演となった辰巳と浜中。スクリーンの前に現れた辰巳は、「完成披露イベントってこういう景色なんですね」と感無量の様子。続けて、「映画に出演することが僕にとって大きな目標の一つでしたし、スクリーンの前で映画を観ていただいた皆さんにお会いできることを幸せに思います。愛される作品になってくれれば非常に嬉しいので、これからよろしくお願いします」と挨拶した。一方、浜中は「この後、セカンドシーズンが始まりますから、あと2時間半ほど観て帰ってください」と冒頭から冗談で盛り上げた。

映画での主演が決まった時の心境を聞かれると、辰巳は「僕は小学校6年生からこの世界に入って、映画に出るということが大きな目標の一つだったので、すごく嬉しかったです。出演を聞いた時には漫画の連載も始まっていたので、この役を自分がやるのかと思いながら漫画を読むという贅沢なことをさせていただきました」と嬉しそうに話した。

浜中は「漫画、舞台、映画と3つが同時進行で進むというので、漫画を描かなあかんのかなと思って、どうしようと思って」とふざけ、「映画をやるって聞いたのが撮影の前日だった」と真顔で話すなど“浜中節”を連発。すると、辰巳から「そんなわけないでしょう。ちゃんとやりましょうよ」と笑顔でツッコミが。浜中は苦笑いを浮かべると、「本当に映画に出られて嬉しかったです」と真面目に語り、会場は爆笑の渦に包まれた。

また、舞を演じた小西は「私は映画だけに参加させてもらうのでドキドキしていましたが、漫画とも舞台とも違う、私らしい舞を演じられたらいいなと思って、楽しみながら臨みました」とコメント。役作りについては「今まで演じたことがない役柄だったので、すごく悩んだのですが、監督や皆さんに相談しながら、心の中で前世やとわのことを思い出すという感覚的なものを一つひとつ作り上げていきました」と明かした。

そして、菊地監督は「10ヶ月くらい前に撮影し、みんなの力で作り上げた作品です。1人でも多くの方に届き、楽しんでいただけたらと思います」と思いを語った。

舞台と映画で同じ役柄を演じた辰巳と浜中だが、浜中は「映画と舞台は時代が違うので、また新鮮な感じで演じることができました」と話す。辰巳も、「舞台も漫画のストーリーをただ単純に再現するのではなく、様々な角度から役を振り返っています。舞台をやらせていただいたことで、草介が深く流れていく時間になりました。実は漫画と舞台と映画とを繋げたいという想いがあって、映画の中で印象的だった草介の動きを舞台でもやっていました。それを観てくださった方が草介がスクリーンの中にいるという感覚になっていただけたら嬉しいなと思って舞台を作っていました」と振り返った。

さらに、今回のプロジェクトを展開するにあたって、3人の千年間の年表が作られ、3つのメディアで共有していたそうで、菊地監督からは「千年に渡る物語の最初と最後を描くという構想だったので、その間に何があったのかを4人で話し合い、きっと孤独で寂しすぎるんだろうなという答えになりました。プロジェクト全体で議論もしたので、そういう意味でも今回、この映画を作ることができて面白かったです。いい意味で刺激し合いながら作っていったのかなと思います」というエピソードも披露された。

映画の主題歌は、ふぉ～ゆ～の「心つないで」。CDデビューを夢見る辰巳は「ストーリーを思い返しながら歌ったので、グループで歌っている声とも質感とも違う自分の声でした。フルバージョンもいつかどこかで歌いたいですし、まだどこかでCDデビューの話が来るんじゃないかと思っています。ドキドキして待っています」と意気揚々と話し、「この映画が皆さんに愛される作品になるように、ぜひオススメしてください。この『僕らの千年と君が死ぬまでの30日間プロジェクト』としてこの先も走り続けていきたいと思います」と力を込めた。そして、浜中も「10月27日に公開されてから、もう一度観たいという方はぜひ観ていただければ」と会場に呼びかけて、締めくくった。