昨年1月の連載終了後も、熱いファンが増え続けている漫画「ギャングース」が、同名タイトルで実写映画化。高杉真宙、加藤諒、渡辺大知が“トリプル主演”を務め、今年の秋に公開される。
原作は、冒頭に毎回付されている〈この漫画は実話を基にしたフィクションです。ただし、犯罪の手口は全て実在しますので、ぜひ防犯に役立てて下さい〉という注意書きが象徴的なように、ストーリー共同制作の気鋭のルポライターである鈴木大介による未成年の犯罪者への取材を基に、裏社会の実態をリアルに描いた“超実証主義漫画”。映画では、少年院で共に過ごしたサイケ、カズキ、タケオの3人が犯罪集団だけを狙って窃盗を繰り返す“タタキ”稼業を開始。裏社会でポジティブに生き抜いていこうとする彼らの友情を描いていく。
窃盗団の情報収集、作戦立案担当のサイケ役に、昨年は『P と JK』『トリガール!』『散歩する侵略者』『逆光の頃』など主演作を含む6本の映画に出演、今年も『虹色デイズ』『プリンシパル』など数多くの話題作が控える若手実力派俳優の高杉真宙。工具に関する秀でた見識を生かして“タタキ”をしながら生き別れた妹を追い求めるカズキ役に加藤諒。窃盗団の車両担当タケオ役を、ロックバンド「黒猫チェルシー」のボーカルであり、俳優としても公開中の映画『勝手にふるえてろ』での好演が光る渡辺大知が演じている。
監督は『SR サイタマノラッパー』シリーズ、『日々ロック』『22 年目の告白 私が殺人犯です』の入江悠。映画化に際して、原作者・鈴木大介から熱望されての登板となる。
●ストーリー
親から虐待され、ろくに学校にも行けず、青春期を少年院で過ごしたサイケ、カズキ、タケオ。社会に見放された彼らが生き抜くためにつかんだ仕事は、悪(犯罪者)だけをターゲットにした“タタキ”(窃盗、強盗)稼業だった。3人は、裏稼業・悪徳業種の収益金(アガリ)を狙う窃盗団を結成。暴力団排除の機運が高まる中、日本の裏社会に存在するヒエラルキーにも転換期が訪れ、ヤクザ組織に属さない“半グレ”系アウトローで構成される犯罪営利組織“カンパニー”の支配権を侵していた。サイケ、カズキ、タケオの3人は、すでに後戻り不能な危険領域に立っていたが…。
●高杉真宙(サイケ役)コメント
サイケ役としてに出演させて頂くことになりました。原作を読ませて頂き、今の日本でこの世界が存在するということに驚きました。そして自分が今までそれを知らないでいたことにもショックを受けました。家がなく保険証もない、頼れる人がいない中で生きていくことをどこか遠い世界のように思っていた自分に疑問を持ち、今はどんなふうに演技をしようかと悩んでいる状態です。ひたすら突き詰めてリアルに、とにかくリアルにしたいと思っています。この世界の一員になり、リアルをたくさんの人に伝えたいと思います。よろしくお願いいたします。
●加藤諒(カズキ役)コメント
カズキ役を演じさせて頂きます加藤諒です。原作者の鈴木大介さんにカズキたちのモデルになった方々のお話を伺った時に、全く違う世界の住人だと思ってた人たちが、そうではなく、僕たちと同じ日常にいる方々なんだと強く感じました。この映画を観た方にもそう感じて頂けるように、物作りが大好きな愛すべきカズキという男に血を通わせ、しっかりと演じられるように頑張ります。
●渡辺大知(タケオ役)コメント
原作・脚本を読んで、社会からはみ出した男たちのたくましく生きる姿に感動しました。彼らの愛や優しさが伝わるように、自分なりに精一杯楽しくやってやろうと思います。
●入江悠監督 コメント
最初に企画のお話を頂いてから、取材をし、脚本を書き、また取材をし、と繰り返しているうちに、4年の時間が流れていました。社会の底で必死に生きる彼らの姿は、一寸先は闇なのにどこかキラキラ輝いてまぶしく、そういう意味でこれは私にとって至上のキラキラ映画です。
●作品情報
【タイトル】『ギャングース』(2018年秋公開)
【監督】入江悠
【原作】肥谷圭介、鈴木大介「ギャングース」(講談社モーニング KC 所載)
【出演】高杉真宙、加藤諒、渡辺大知(黒猫チェルシー)
【製作・配給】キノフィルムズ/木下グループ
【制作プロダクション】アミューズ+パイプライン
©肥谷圭介・鈴木大介/講談社