平成最後の秋を席巻したスペクタクル時代劇『魔界転生』。今春、その再演が決定している。4月に愛知で開幕し、続いて福岡、大阪で上演する。
10万人の動員を記録し大ヒットとなった初演から2年4カ月、待望の再演となる。
巨匠・堤幸彦が演出を再び手掛け、脚本は演劇界の重鎮・マキノノゾミが担当する。ド派手なアクションに変幻自在なフライング、LEDによる映像効果も駆使した演劇と映像の融合による画期的な演出により、感動の人間ドラマと魅惑のエンターテインメント時代劇を送る。作品をさらに練り上げてブラッシュアップし、令和版の新しい『魔界転生』を創り上げる。
魔界からよみがえった剣豪に果敢に立ち向かう主演の柳生十兵衛役は、上川隆也が初演に引き続き務める。また、十兵衛たちに立ちはだかる最大の強敵・天草四郎役は、舞台での活躍も目覚ましい小池徹平が今回初参加し演じる。他にも藤原紀香、村井良大、木村達成、田村心、岐洲匠、宇野結也、財木琢磨、山口馬木也、渡辺大、浅野ゆう子、松平健といった華と実力を兼ね備えた豪華なキャストが一堂にそろった。
本作でその天草四郎を演じる小池徹平、演出の堤幸彦が去る2月24日に作品のゆかりの地である島原・天草を巡り、慰霊・鎮魂の祈りを捧げて、舞台の“無事安全成功”を祈願した。
ゆかりの地巡りで二人が最初に訪れたのは、島原の乱の主戦場となった世界遺産でもある原城跡(長崎・南島原)。原城落城そして天草四郎没後383年に当たる2021年、天草四郎のものと伝わる墓前で、慰霊・鎮魂の祈りを捧げ、舞台の成功を祈願した。一行はその後、天草四郎の生まれ故郷である熊本県・天草へ移動。天草キリシタン館や天草四郎公園、天草四郎ミュージアムなどを訪れた。
[小池徹平コメント]
(「島原の乱」は)実際にどんなものだったのか、どれくらい激しい戦いだったのかなって思いますし、原城跡に来ることによって、ああこういう所だったんだっていう想像がはるかに膨れ上がった気がします。舞台で表現するに当たっては、今日は非常に大事な一日になったのではないかと思います。天草四郎を演じる者として本当に光栄です。コロナ禍で舞台が中止になるということも経験していますし、この状況の中で初日の幕を開けるまでがどれだけ大変なのか、そこに向けて今は気を付けるべきことがすごく多くある思います。最後まで気を抜かずに、やらせていただくつもりですし、何より今こうやって(実際に天草四郎が立った)この場所に来られているので、確実に一歩ずつ、初日に向けて歩みを進めているんだっていう実感もすごく沸いています。
[堤幸彦コメント]
この空気、太陽、海の風、におい、鳥のざわめき。この時期ですと、そろそろ桃や桜も芽吹き始める自然の力みたいなのものを感じますし、383年前もきっと同じだったと思います。そこで、天草四郎を筆頭に数万の一揆軍がここで世界を揺るがすと言ってもいいくらいの決起をした、この平和な空気の中でそれが行われたっていうことが、舞台を作っていく上で重要なスタートポイントになるんじゃないかなと思っています。(コロナ禍は)舞台を表現していくためには非常に否定的な条件、状態ではありますけれど、その中でも知恵を振り絞り、エンターテインメントの力を皆さんにお見せしたいです。前回は人間のマンパワーでもって舞台を大きく動かしていくステージでしたが、今回は例えば多面的に動き回るLEDの映像やかなりハイテクな舞台にすることにより、人と人との接触を少しでも減らしていったり、今の時代に適応する変化した令和版での再演というふうに考えています。
公演は4月7日(水)~11日(日)愛知・刈谷市総合文化センター、4月16日(金)~28日(水)福岡・博多座、5月4日(火)~28日(金)東京・明治座、6月2日(水)~10日(木)大阪・新歌舞伎座にて。