庭木 私は趣味で縫い物や刺しゅうをするのが好きなんです。古典芸能は衣装やセット、舞台美術が素晴らしいので間近で見てみたいですし、どのような方が、どれくらいの規模で作業しているのかを知りたいです。だから、実際に作業をしている方たちのところへ行ったり、体験したりできたらいいなと思います。
――高橋さん、大久保さんはお互いの、庭木さんはお二人のすごいと思った点を教えてください。
大久保 英樹さんは打ち合わせの時から知識量がすごくて。記憶力ももちろんですが、長く芸能生活を送られているのもあって、お話を聞いているだけで世界がどんどん広がっていくんです。それがすごいなと思いました。あとは宣伝のVTRでの「お楽しみに!」が、おなかから声が出ていて、すごくいい声をしているなと。「越後製菓!」みたいな感じで(笑)。
高橋 こうやって大久保さんにたっぷりお話を聞くのは初めてなのでこれからが非常に楽しみですし、古典芸能未経験の人が古典芸能にどれだけ携わって、そしてお稽古をしていけるかを見るのは非常に興味があります。と言いつつも、大久保さんはとても根性がある方で、まじめに取り組んているところは見えるので。
大久保 おぉ~、良かった(笑)。
高橋 ぜひとも続けていただいて、番組が中盤に差し掛かってきたら「なかなか古典に関してはうるさいね」というところまでなっていただけたら。大久保さんはユーモアがありますし、頑張り屋ですし、共に私自身も成長していけたらと思っております。
庭木 まず、英樹さんとは前身番組で1年間ご一緒させていただきました。最初にお会いした時は、大河ドラマや朝ドラで見ていた時代劇のスターという印象だったのでとても緊張しましたが、お話ししてみると優しくて、芸能や舞台のことが大好きで愛が伝わってくる方です。いろんな歴史上の人物を演じられているので、「江戸時代の中でもあの時期は厳しかったね~」とか、「明治になると一気に変わるもんね」などと、まるで歴史上の人物がタイムスリップしてきたかのようにお話しになるのもとても面白いです(笑)。大久保さんは、古典芸能のお稽古をするコーナーをのぞきに行った際に、なかなかお会いできないような第一線で活躍している方に対しても鋭いツッコミをされていて。誰も言えなかったけど、「それちょっと思ってた!」というところにも切り込んでくださるので、そこもぜひお楽しみに!
――視聴者へメッセージを。
高橋 番組を通して、今まで敷居が高かった、あるいは難しかったと思われる古典芸能をより身近に感じていただき、そしてそれを趣味の一つに加えていただけたらいいなと思っています。お稽古はなさらないにしても、まずお上手な方を見るという行為が第一歩かと思いますので、番組を通して古典芸能の世界に少しでも触れる方が増えてくれればうれしいです。
大久保 古典芸能は面白いからみんなを引き付けて、今まで残っているものだと思います。それを知らずしてこのまま生きていくのも嫌だな、と思っている時にこのお話を頂いて。ですから、古典芸能をちょっと前のめりで興味深く見ていた皆さんはもちろん、まだあまり知らない皆さんも、私と一緒に勉強してくれたらいいなと思います。
庭木 私は古典芸能番組に関わるのは2年目ですが、これまではコロナ禍ということもあり、感染対策で客席から舞台を見ることが多かったんです。ですが、これからは少しずつ、その裏側の舞台をつくっている人のそこに懸ける思いや努力、工夫などを取材できればいいなと思っています。古典芸能の魅力を一緒に探しに行くつもりでご覧いただけたらうれしいです。
Proflile
たかはし・ひでき 1944年2月10日生まれ、千葉県出身。
おおくぼ・かよこ 1971年5月12日生まれ、愛知県出身。
にわき・さくらこ NHKアナウンサー。熊本県出身。
芸能きわみ堂
NHK Eテレ 4月7日スタート
毎週金曜 後9.00~9.30
文◎布澤奈々子
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