伊原 愛されてましたね。亮太そのまんまでした!
葉山 六花ちゃんの穂香も素晴らしいじゃないですか! どうですか? 穂香は。
伊原 何かを頑張っている人ってすごくすてきだと思うんです。穂香は相撲を一筋に、真剣に、誇りを持ってやっていてカッコいいなと思いました。初めて台本を読んだ時、頭の中でセリフを標準語で読んでいたら「なんてきつい性格なんだ」と思って、どう演じようか悩んでいて。でも、セリフを津軽弁で言ってみるとマイルドになって、ちょっとかわいらしくなって、すごく方言に助けてもらいました。方言と標準語のバランスも、監督と方言指導の方と「ここはちょっとテンション上がるから方言多めでいこう」とか「ここはちょっときつく聞こえるから方言に変えてみよう」という話をして調整しました。役の表現を方言に助けてもらいました。
葉山 六花ちゃんは方言がうまいよね。すごくナチュラルだった。
伊原 ありがとうございます! 予想できないイントネーションだったのは難しかったです。過去に福井弁に挑戦した時は、練習を重ねていくにつれて「あ、だいたいこんな感じのイントネーションかな」と分かってきたのですが、津軽弁は最後まで分からなくて。ただ、津軽弁は聞き心地のよい音なので歌みたいに覚えられて、あまり苦労はしなかったかも。それに監督も方言指導の方も寄り添ってくださって、気持ちを込めにくいところは、穂香も東京に出てきていることもあって、ちょっと標準語を混ぜるという調整をさせてもらえて。だから、そこまで苦労することはなく、むしろ「穂香をマイルドにしてくれてありがとう方言!」と思いながら演じてました。
――穂香を演じるに当たり意識したことは?
伊原 穂香のキャラクターとしては、津軽弁をしゃべることと相撲ができるというのが印象的で。だからこそ、1、2話は特に強烈にキャラクター付けしたくて、ほぼ笑ってないんです。後半からちょっとずつ人間っぽくなっていきます。
葉山 ロボットみたいだったもんね、最初(笑)。
伊原 そうなんです。そこから、みんなと仲良くなって、知って楽しんでちょっとずつ変化していくところも見せられたらなと思って。
――1話の最後に少しだけ笑っていたのが印象的でした。
葉山 やっぱりそれはもう、亮太のあのハプニングのおかげですね!
伊原 逆にそれが理由だったら、「それで穂香笑うんだ!?」って感じですよ(笑)。
――相撲は初挑戦かと思いますが、お稽古で大変だったことは?
葉山 全身運動なので、とにかく全部きつかったです。
伊原 最初の稽古終わった時、びっくりしました。全身疲れてて。
葉山 次の日起き上がるのに、冗談抜きで10分くらいかかりました。体をゆっくり動かさないと痛めちゃうんじゃないかなと思うくらい全身が筋肉痛になっていて、ロボットみたいにしか動けなかったです。ぶつかり稽古なんてもう、まるで事故に遭ったみたいでした!
伊原 衝突事故。
葉山 力士の方も「交通事故と同じ衝撃だ」っておっしゃってました。頭と頭がぶつかるのでは、軽自動車と軽自動車がぶつかっているのと同じくらいの衝撃らしくて。
伊原 力士ってボクシング、総合格闘技とかも含めて一番強いスポーツ選手らしいです。
葉山 張り手をやられたら、普通の人は死んじゃうかもしれないくらい強くて。だから本当の力士の方が共演者に居なくてよかったなって。
伊原 確かに!
葉山 危うく、ここに居ないところでした。
伊原 この作品できないところでした。
――まわしを締めるシーンも印象的ですが、まわし姿に周りからの反響は?
葉山 どうですか?
伊原 私は「カッコいい」って!
葉山 そりゃあカッコいいですよね~!
伊原 ありがとうございます!
葉山 僕は「ガリガリだけど大丈夫?」っていう声のほうが多かったですね。「お前に相撲ができるのか」みたいに言われているので、声を出して言いたいです。「こういう人だって勝つんだよ! ドラマを見てもらえたら分かるよ」って!
――今作はW主演でしたが、お互いの最初の印象と撮影に入ってからの印象は変わりましたか?
葉山 いや~、僕はすごい変わりましたね。六花ちゃん、最初すごく怖かったので!
伊原 やめてください、その言い方!(笑) 怖くないですよ?
葉山 結構クールであまりしゃべらないし、目線も合わないので、怖かったんです(笑)。でも撮影に入るとすごくしゃべるし、すごく笑うし、もう真逆でしたね。「それを最初に出してよ!」って。今はめちゃくちゃチャーミングだし、よく笑ってくれる人だなって印象です。
伊原 稽古がスタートした時はまだ「初めまして」の雰囲気で探り探りでしたし、「とりあえず相撲頑張らなきゃ!」みたいな気持ちがあって。稽古に真剣過ぎて、きっと目つきが怖かったんだろうなって思います。葉山くんのイメージはあまり変わらなかったです。ずっと気さくな感じで、みんなにも積極的に話し掛けて、「すてきな方だな」と思ってたのは変わらず。撮影始まっても…ただ、すっごいふざけてくれますね(笑)。