映画『シコふんじゃった。』の30年後を描くドラマ「シコふんじゃった!」が、ディズニープラスにて独占配信中。卒業のために廃部寸前の相撲部に入部した“崖っぷち”大学生・亮太を葉山奨之が、相撲部の唯一の部員で”相撲以外はポンコツ“な穂香を伊原六花が演じる。物語では犬猿の仲(?)な2人の、終始和気あいあいとしたテンポの良いインタビューをお届け。
――ドラマ版の出演が決まった時のお気持ちは?
葉山 この作品はオーディションがあったんですけど、緊張も特にせず、紙一枚の原稿を見た瞬間に自分が亮太を演じている想像がすごくついて。これまでにない感覚だったんですけど、「これはいける」っていう謎の自信に満ち溢れていました。俳優人生の中でそういう経験をすることはきっと一生に一回くらいだと思うので、このタイミングで巡り合えてありがたいなと思います。
――役との“運命の出会い”だったのですね。
葉山 だと思います。
伊原 ふふふっ。
葉山 なんすか!
伊原 いやいや、そんな丁寧な言葉遣いされるんだなって思って(笑)。
葉山 しますよ! 普段はものすごく丁寧ですよ!
伊原 こんな葉山くん見たの初めてです! 私もオーディションで、1回目の課題が「四股を踏んでください」だったんです。動画を見て、現場で見よう見まねで四股踏んで。そこから回数を重ねていくにつれ、「この役をやりたい」という思いはもちろんですが、四股の動画を何度も見ていたので「四股をもっと知りたい」という思いも強くなっていきました。だから、この役を演じられると聞いた時は、相撲をもっと深く知ることができるといううれしさもありました。
――葉山さんにも「四股を踏んでください」という課題は出ましたか?
葉山 あったと思います。でも謎の自信に満ち溢れていましたから、もう勢いでしたね。もしかしたら本編より足が上がっていたかもしれないです。
伊原 オーディションのほうが?
葉山 たぶん上がってましたね!
――この作品は映画『シコふんじゃった。』の30年後を描いたドラマですが、プレッシャーなどはありましたか?
葉山 撮影に入る前に、「映画版見てください」って言われたよね?
伊原 はい。
葉山 何年か前に見たことがあったんですけど、今回はあえて見ませんでした。見たらもう、とんでもないプレッシャーになって、ベストなパフォーマンスができなくなりそうだったので。「見ましたか?」と聞かれると、満面の笑みで「見ました!」って答えてましたけど、実は見ておらず! プレッシャーをどれだけ感じずに、全く新しい作品をみんなで作れるかってことを今回意識しましたね!
伊原 …なんか今日めっちゃテンション高くないですか!?
葉山 お昼なので(取材はお昼を少し回った頃)頑張らなきゃと思って!
伊原 ふふっ。私は映画を見たことがなかったので見ました。タイトルもほぼ一緒ですけど、相撲を通してテーマにしているものが違うなって思って。映画版は女性が女性であることを隠して試合に出ていたところが、今回は女子相撲の要素もあり、男女混合戦も取り扱っていて。だから時代も違いますし、葉山くんも言ってたように全く違うものでいいんだろうなって考えていました。だから、映画版がプレッシャーになることはなかったです。すてきな映画のドラマ版に出させていただけて、ありがたいなという気持ちでした。ただ、映画版とドラマ版で唯一リンクしているところが、穂香が青木(竹中直人)先生のことを尊敬していることで起こるエピソードなんです。穂香は現代っ子ではないですし、映画版のにおいを感じさせるような役でもあるのかなと思っていたので、全く別物とはいえ、「ちょっと懐かしいな」「そっちの時代のにおいがするな」ぐらいにできたらいいなと思っていました。
――ご自身が演じる役の印象は?
葉山 亮太はみんなに愛されるキャラクターだなという印象です。応援してもらえるキャラクターじゃないと亮太を通して物語を見てもらえないと思って。だから、変に鼻についたり、「なんだこいつ」と思われたりしないようには意識しましたね。ちゃんと自分の思いも持っているけど、それを素直に言うのが苦手でいろいろ葛藤してしまう、という部分もすごく理解できました。撮影中、自分でも亮太なのか葉山奨之なのか分からなくなる瞬間があるくらい、亮太を自分の体に落とし込めた瞬間があったんです。半分自分の感覚でもあるし、半分亮太の役の感覚というすごく不思議な体験ができたので、亮太はかなり自分に近い感じがします。
――みんなから愛されるキャラクターにするに当たって、意識したことはありますか?
葉山 やっぱり僕、愛されちゃうので(笑)。そこは僕自身がチャーミングなキャラクターでよかったなとすごい思います!
――では役作りも特には?
葉山 いやぁ、でもやっぱり愛されるように! カメラが回っていないところでも、とにかく笑顔で! 亮太というキャラクターはみんながいるからこそ演じ切ることができたので、チームワークを大切にしました。どうでしたか?