2010年、演劇界の巨星・つかこうへいさんが宇宙に旅立ってから既に12年の時が流れた。最後の追悼公演となる今年「つかこうへいLonely 13 Blues」と銘打ち、ホームグラウンドである東京・新宿の紀伊國屋ホールにて、『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』『初級革命講座 飛龍伝』の連続公演を上演する。
『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』は、20年にコロナ対策における緊急事態宣言の影響により上演中止となったが、直後に朗読劇へと変更され、人間と人間が向かい合えない時代を乗り切ってきた。今年は、名作『蒲田行進曲』の解決編にして完全版の上演を目指す。
主演の銀ちゃんこと倉岡銀四郎には、紀伊國屋ホールの春の恒例公演『熱海殺人事件』で木村伝兵衛を5年連続演じ、近年はドラマでも活躍の幅を広げて今最も注目される味方良介。銀ちゃんのために命を懸ける大部屋俳優ヤスには、NON STYLE 石田明。
ヒロイン小夏には今春に乃木坂46を卒業、女優として今回の公演が卒業第一弾となる北野日奈子。また、銀ちゃんの最大のライバルであり、共に映画を支える歌舞伎界のプリンス・中村屋喜三郎に細貝圭。さらには中本大賀、久保田創、高橋龍輝、佐久本宝という実力派が顔をそろえた。公演は7月8日(金)~18日(月)まで。
一方の『初級革命講座 飛龍伝』は、90年以降上演され続けている『飛龍伝』の原作に当たる。今回はその復刻上演と共にOB、OG等によるトークショーを重ね合わせて開催する。
出演は、機動隊員・山崎に『新・熱海殺人事件』ラストスプリングで鮮烈な印象を残し、今やつかこいへい演劇の中心人物となった高橋龍輝。ヒロイン小夜子に幾多の候補の中から選ばれた期待の新人・佐々木ありさ。元革命家の闘志・熊田には元北区つかこうへい劇団2期の重鎮・吉田智則。12期のエース久保田創が追悼公演の最後を飾る。
『初級革命講座 飛龍伝』の終演後には没後12 年を振り返り、毎公演ゲストを迎えてのトークショーを繰り広げる。公演は7月22日(金)~25日(月)まで。