東京・世田谷パブリックシアターが、2022年度ラインアップを発表。4月19日に、同劇場にてラインアップ発表記者会見を行った。
会見では、今年4月1日に世田谷パブリックシアター芸術監督に就任した白井晃がラインアップの紹介役を務め、22年度の劇場プログラムに関するコンセプトや各公演の概要などについて説明した。
また、公演ラインアップの中から『お勢、断行』(5月公演)から作・演出の倉持裕と出演者の倉科カナと福本莉子、『毛皮のヴィーナス』(8月、9月)から演出の五戸真理枝、『建築家とアッシリア皇帝』(11月、12月公演)から演出の生田みゆき、安住の地『凪げ、いきのこりら』(仮、12月公演)から代表の中村彩乃、脚本・演出の岡本昌也と私道かぴが舞台上に登壇。各自が劇場への思いを語り、作品のPRを行った。
世田谷パブリックシアターの今後の活動について白井は「(コロナ禍で)人が集まることが難しい状況で、劇場が広場であるためにどうすれば良いかを考えたい。街に病院や鉄道、警察、水道があるように、人々が集まって心を癒やす劇場は“公共財”としてなくてはならない存在」と述べ、「この劇場の空間には、たくさんのアーティストの魂があふれている。その精神を引き継いで活動していきたい」と意気込んだ。
世田谷パブリックシアターは演劇やダンス公演だけでなく、世田谷区民を対象としたワークショップや区立の小中学校へ出向いて行われるワークショップ、高齢者や障害者などのための移動劇場などさまざまな“学芸事業”も行っている。白井は「私も活動を後押ししたいです。今後は公演事業と学芸事業がクロスするような事業を何かやれたら」と夢を語った。
撮影◎田中亜紀