勝村政信と高杉真宙が挑む二人芝居『ライフ・イン・ザ・シアター』が、3月3日に新国立劇場 小劇場にて開幕した。
本作は、現代アメリカ演劇界を代表する劇作家のデビッド・マメットがつづる二人芝居。「劇場」を舞台に、芝居に生きる俳優の悲喜こもごもを描いていて、ブロードウェーはじめ世界各地で上演され続け、数々の名優によって演じられてきた不朽の名作だ。
舞台上や楽屋裏、出番直前の舞台袖や衣装部屋など、劇場の中のさまざまな場所で繰り広げられる2人の俳優の会話や日常を切り抜き、90分で描くオムニバス風ヒューマンドラマになっている。時に切なく時にクスッと笑える、月日の流れと共に変わりゆく「世代もキャリアも違う二人の俳優」の心情を描いていく。
日本では16年ぶり3度目の上演となる今作は、年配で演技力のあるベテラン俳優・ロバートを勝村政信が、ロバートを慕い日々役者としてさまざまなアドバイスを受ける若手俳優・ジョンを高杉真宙が演じる。
また、俳優で演出家の千葉哲也が演出を務めていて、自身も俳優である千葉が何げない「俳優の生きざま」をどのように描くのかに注目が集まる。
3月3日の開幕に先立ち開幕直前取材と公開フォトコールが行われ、直前取材には勝村と高杉が登壇した。
初日を迎えて勝村は「ようやくここまで来たなと。なかなか大変な芝居なので、よく間に合ったなというのが感想です。26場あるのですが、ほとんど着替えながらしゃべっていて、最初はただ二人で立ち尽くしていて。セリフも出てこないし、どこに行ったらいいのか分からず、今どこをやっているんだろうと…。それが、ようやくなんとか形になったという感じです。僕、考えてみたら二人芝居って4回目らしいんですけど、その中でこれだけ場数が多くて着替えが多いのは初めてなので、トップクラスで大変です。始まったら終わるまでやらなきゃいけない。最初から最後まで。こんなに通し稽古をやった稽古は初めてでしたし、とにかく見てください!」と語った。
一方、高杉は「ウソみたいな感じというか。昨日シャワーを浴びながら“はっ!明日本番だ”とふと思ったら一瞬ちょっと焦って。気持ちがずっと落ち着かないまま眠りについたんですけど、今日無事に迎えられることがすごく幸せだなと思いますし、ちゃんと自分が身に付けてきたことや皆さんと一緒にやってきたことを一つ一つ丁寧に本番にぶつけていけたらいいなと。…僕は今回、初めて二人芝居をやらせていただくんですけど、2人だと立っているこの場が広く感じます。この場で勝村さんと二人で作ってきたものをしっかりと発揮して楽しくできたらいいなと思います」と意気込んだ。
公演は3月13日(日)まで東京・新国立劇場 小劇場にて。以降、大阪、広島、広島、福岡、札幌、金沢公演あり。
撮影◎岩田えり
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