――八木さんは本作の主人公でもありましたが、そこで感じたことは?
八木 主人公といっても、この作品は一人一人がフューチャーされている舞台だと思っています。それよりも、僕の父親役を大鶴義丹さんが、母親役を田中美奈子さんが、そして叔父さん役を加藤啓さんが演じてくださって、舞台稽古から本番までの姿はすごく勉強になりました。いろんなことを吸収させていただけたことがうれしかったです。この舞台に関わって貴重な経験をさせてもらえたなと感謝しています。
――木村さんはいかがでしたか?
木村 今回はリーダー2人がいないことに緊張や不安もありましたが、いざやってみると6人だけの空気感もすごく新鮮で、それがまた良くて。共演させていただいた大鶴さんと、田中さんと、加藤さんにもすごく優しく接していただきました。
中島 うん、確かに。
八木 そうだね。
木村 とても楽しかったですし、演技面でも勉強させていただきました。
中島 この作品をFANTASTIC 6でやったことで感じたのは、パフォーマンスがあって、クスッと笑うところがあって、「かわいい」って思える瞬間がある舞台をできたことは、LDHとしても珍しい、新たな試みをできたグループだったと思います。6人全員で演技することもそうですし、一人一人が全力で取り組むことでお仕事への自覚や責任感がグッと強くなって、今後のFANTASTICSでの活動にも生きてくるのではないかなと思いました。
――舞台を通して演技への熱は高まりましたか?
八木 一番最初の芝居体験は「FANTASTIC 9」という初めてのホールツアーで行ったサウンドドラマ――お芝居とライブを融合させた新しいエンターテインメントをやらせてもらった時でした。もともと興味はありましたが、お芝居をすることはその時が初めてでした。その後にドラマ「マネキン・ナイト・フィーバー」(日本テレビ系)でFANTASTICS全員が主演としてやらせてもらった時初めて、「八木勇征」以外の人物を演じてみて、お芝居ってすごく深いものなのだと、もっといろんな役をやってみたいという思いを持つようになりました。ホールツアーから始まり、いろんな経験をさせていただけたと思います。
中島 めちゃくちゃ楽しいですよね。まだ僕は自分役しかやっていないですが、もともと“人”が大好きで人間観察をしたりする中で、僕もいろんな人を演じてみたいなというワクワク感が湧いてきました。
――木村さんは以前からずっと俳優のお仕事をやりたいっておっしゃっていましたね。
木村 そうですね! ただ今のところ…女性役が多くて。
中島 ははは! 確かに、もともと「王子様キャラをやりたいです」って言っていて、蓋を開けてみたらね…(笑)。
木村 「マネキン・ナイト・フィーバー」でまず1回。そして「BACK TO THE MEMORIES」でもヒロコという女性役をやらせていただきました。それもまたすごくクセがあって、毎回楽しく役作りしています。どんどんいろんな役に挑戦したいなと思います。
――ヒロコ役は演出家・徳永清孝さんからはどんなディレクションをされたのですか?
木村 こう…「究極のぶりっ子でいってほしい」と言われたので、僕が思う究極のぶりっ子を演じました。
中島 でもあれ、プライベートとほぼ一緒です(笑)。
木村 それはヤバいって!(笑) 徳永さんからの案もありつつ、作り上げていきました。
――隠し芸はそれぞれ演目の指定があったのですか?
八木 演出家の方からミッションを与えられましたね。
中島 そうですね。
――中島さんがトップバッターだったのも、ご指名ですか?
中島 最初から決まっていました。
八木 すごいですよ、颯太は。成功率もすごいし。
木村 まぁ、相手になった僕がすごいっていうのもありますけどね。
中島 投げる方もね。
八木 そうだね、慧人の動きもすごく大事でした。
中島 投げる人がミスるとこっちも全然刺せないので、連携が大切でした。
木村 それでも刺していたからね。すごいよ。
八木 2人のコンビネーションだね。
中島 イレギュラーな方向に飛んできても、ちゃんと刺せていたので良かったです。今回、隠し芸を教えてくれる先生がジャグリング専門の人でしたが、初日に先生よりも小さい物を刺せたので、先生が「もう言うことないです」と仰ってくださったので、僕は比較的早めに終わりました。
――どのくらいの期間で習得されたのですか?
中島 練習は20〜30分でした。何回か刺して、何回か毛糸でやってみたらすぐ刺せちゃって…。慧人じゃないよ、毛糸ね?
木村 あぁ~、違う? 毛糸か。
八木 “けいと”違いね。
木村 危ねぇ危ねぇ。
中島 次の瞬間、「じゃあフルーツにしましょうか」って先生に言われて…。
木村 びっくりしたよね、アレね。
中島 そしたらフルーツも成功しました。先生が「もう、大丈夫です…」みたいな(笑)。