激動のウィーンを17歳の青年の瞳を通して描く舞台『キオスク』の東京公演が、2月11日(木)に東京芸術劇場 プレイハウスにて開幕した。
オーストリアの人気作家ローベルト・ゼーターラーによるベストセラー小説「キオスク」。日本では2019年12月から2020年1月にかけて、石丸さち子上演台本・演出によるリーディングシアターとして初演、大好評を博した。
いよいよこのたび、小説著者自身による戯曲版の日本初演の幕が上がった。演出はリーディング版に引き続き石丸さち子が手掛け、より視覚的に演劇的な身体を駆使したストレートプレイを作り上げている。
舞台となるのは1937年、ナチスドイツが台頭しヒトラーによるホロコーストが始まった時代のうねりにのみ込まれていくオーストリア・ウィーン。田舎で育ち、突然ウィーンのキオスク(タバコ店)で働くことになった17歳の青年フランツがさまざまな大人たちと出会い貪欲なまでに知識を吸収し初恋に心を燃やしながら成長する姿を描く。厳しい世情とも向き合う物語だ。
主演は、昨年ジャニーズJr.を卒業してミュージカルやコメディーなど幅広い作品で演技派俳優として邁進し注目を集める林翔太。林演じるフランツが出会う大人たちを、橋本さとし、大空ゆうひ、上西星来、吉田メタル、堀文明、一路真輝、山地和弘と実力派キャストたちが演じている。怒涛(どとう)と困難の時代に多感な時期を過ごすフランツのあくまでも純粋で一途な青春をみずみずしく切なく描き出す。
[林翔太コメント]
コロナで世の中が大変な中、演劇に携われていることがとても幸せです。そして、「キオスク」はこういう時代だからこそやるべき作品だと思っています。残念ながら中止になってしまった公演もありますが、劇場に来てくださる皆さんのために全力で演じさせていただきます! さち子さんは熱い人で圧倒されましたが、それ以上に熱く稽古に取り組まないとフランツはできないと思い、とにかく自分を奮い立たせていました! 兵庫公演で、改めてお客様の前でお芝居をする喜びを感じました。見に来られなくなってしまった方の気持ちも背負って頑張ります!
東京公演は2月21日(日)まで同所にて。以降、静岡、愛知、広島公演あり。