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伊藤健太郎 主演舞台『春のめざめ』公開ゲネプロ

KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで4月13日(土)より開幕する舞台『春のめざめ』の公開ゲネプロと囲み会見が12日(金)に行われ、囲み取材に演出の白井晃、主演の伊藤健太郎、岡本夏美、栗原類が登壇した。

■伊藤健太郎(メルヒオール役)
舞台は2回目ですが、経験が浅いので声の出し方や体の使い方など一から白井さんに教えて頂きました。緊張はしますが、全力で教えを出し切れるように頑張りたいです。稽古が楽しく、早く稽古場に行きたいと毎日思っていたくらいで、稽古が終わって食事をしながらでも、キャストの皆さんとずっと「春のめざめ」の話ばかりしていました。
白井さんから頂いた「健太郎の中のメルヒオールを出して」という言葉が印象に残っています。稽古中は外枠だけでメルヒオールを演じてしまうこともあって、難しいなと思っていたところにこの言葉を頂いて、自分の素の部分も出していこうと思いました。メルヒオールの悩みや気持ちは若かったころの自分にも共感できるので、そうした気持ちを伝えられたらと思います。

■岡本夏美(ヴェントラ役)
稽古中にたくさん白井さんから教えて頂きました。初演を観た時に挑戦してみたい役だったと言ってしまいましたが、今となってはそんなことを軽々しくは言えないくらい大変な役でした。白井さんからは「ヴェントラとして生きてください」と言って頂いたり、「ヴェントラを選んだのは僕だから(君の演技に)責任を持つよ」と私に寄り添ってくださっている感じが嬉しかったです。伊藤さんはすごく熱い方で、みんながついていきたくなるような座長です。

■栗原類(モーリッツ役)
(初演と)役者が変われば空気も変わりますが、とても楽しい稽古場でした。稽古中は白井さんの言葉が心にささるし、欲を言えばもっと稽古をしていたいです(笑)。 とはいえ、タイムリミットがある中で創り上げなければならないので、僕自身は明日からの本番を楽しみたいと思います。作品の中ではメルヒオールとの掛け合いが多いです。伊藤さんのことを信じています。モーリッツは好奇心が旺盛でたくさんしゃべる子です、自分の限界に縛られず、エネルギーを使っていいんだと思いました。

■白井晃(構成・演出)
今回はメルヒオールとヴェントラの役者が新しくなり、役者の関係性も変わりますので、演出的には少し手を入れて、大枠は変えず人物を掘り下げました。類君は作品の理解力が素晴らしく、岡本さんは根性のある子です。健太郎君は演技のセンスが素晴らしいと思いました。「春のめざめ」を再演したのは、子どもたちの生きることへの対じの仕方、性の悩みというものは今でも変わっていないわけで、これは130年前の作品ですが今の時代でも十分に共感できます。ですので、今後もレパートリーのような形で繰り返して上演していきたいという思いから再演に踏み切りました。若いキャストの皆さんはこれからの日本の演劇、芸能を担う立場にいる人たちですので、舞台の面白さや厳しさも知ってもらええれば、との思いから色々厳しいことも言わせてもらいました。ですので、明日からの本番、ぜひ期待して観にいらしてください。

【公演情報】
KAAT神奈川芸術劇場芸術監督として近現代戯曲を現代視点で蘇らせるシリーズに取り組んでいる白井晃が、『ペール・ギュント』『夢の劇ードリーム・プレイー』『マハゴニー市の興亡』に次いで、2017年に手掛けた、フランク・ヴェデキント作の名作戯曲『春のめざめ』を、今回再演いたします。このシリーズで上演した作品を、観客のご要望にお応えする形で再演するのは劇場としては初めてです。また、2019年度は、本作『春のめざめ』再演の後、同じく大人社会を前に悩む、思春期の子供たちの‘性’と‘生’をテーマにした、フランスの小説家・劇作家 ジャン・コクトーの中編小説『恐るべき子供たち』を舞台化し、連続上演します。

1891年に書かれた戯曲『春のめざめ』は、思春期の少年たちの性への目覚め、生きる事の葛藤、それに対する大人たちの抑圧などが描かれ、そのセンセーショナルな内容から当時上演禁止の処分を受けた問題作。2006年にブロードウェイでロックミュージカルとして上演され、話題になりました。
そして、2017年春、ヴェデキントの原作をもとに、白井晃の世界観で新たに構成。ミュージシャンの降谷建志(Dragon Ash)がメインテーマを含む楽曲を書き下ろし、ダンサーの平原慎太郎が思春期にある若者たちの性衝動や煩悶を振付によって見事に表現。これまでにない『春のめざめ』を上演し大好評を得ました。

舞台初主演となる伊藤健太郎ほか、オーディションからも新たな才能を発掘
第42回日本アカデミー賞新人俳優賞、第62回ブルーリボン賞助演男優賞・新人賞にダブルノミネートされるなど、今、最も注目を集める若手俳優の伊藤健太郎が、主人公・メルヒオール役として、自身二度目の舞台出演で、初主演を果たします。ヒロイン・ヴェントラ役には、初演を観劇して絶対勝ち取りたかったという岡本夏美がオーディションにより選出され、さらに初演での好演で俳優としても高い評価を得た栗原類が、絶望を抱えて暴走する若者・モーリッツ役を再び演じます。
友人生徒役には、小川ゲン、中別府葵ら前作でも活躍した若手俳優に加え、新たな才能の発掘と育成を目指して実施したオーディションから、新メンバーを起用。また、若者達を抑圧する両親や学校の先生役には、初演キャストのあめくみちこ、河内大和、那須佐代子、大鷹明良が、そのままの配役で参加いたします。

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