2019年に韓国で観客動員数230万人を超えるヒットを記録した映画『無垢なる証人』が、日本で初ドラマ化。殺人事件の容疑者の弁護人・長谷部恭介(唐沢寿明)と、事件の唯一の目撃者である自閉スペクトラム症の少女・小池希美(當真あみ)という、事件がなければ出会うことのなかったふたりの特別な心の触れ合いを描く。
希美を演じた當真あみが、挑戦的だったと語る役どころやドラマの魅力について語ってくれた。

――作品に挑むにあたって、どんな準備をされましたか?
この作品は韓国でたくさん観られているということで、まずは映像作品から観て、それからドラマの台本を読みました。演じる希美は自閉スペクトラム症なのですが、まずはどういった特性を持つのかなどを調べました。そして監督とも話しながら役作りをしていきました。お話的にはミステリーに留まらず、希美を通して人との繋がりなどを感じられる作品になっているので、そういった人間関係の部分も大切に考えながら演じました。
――希美は物語のキーパーソン。監督とどんな話をして役作りを?
監督と何度も、希美の動きの確認をしました。希美の友達・奈月役の新井美羽ちゃんと一緒にリハーサルをして、感情と行動が必ずしも一致していない希美の動きをどう演じるかを考えていきました。本当に初めてなことばかりで、分からないことだらけだったので、教えていただきながら一つ一つ演じていきました。その中で、彼女が何を考えているのかなど、そういう部分も探っていきました。

――実際に演じてみて捉えた、希美の人物像は?
とても純粋なんです。彼女なりに、まっすぐに目の前の人と向き合っているのですが、それが他の人のペースとは合わないというか…。それで周りの人からは“自分たちとは違う”と思われてしまっていて。それでもやっぱり、どうにか自分が力になりたいとか、怖いけど勇気を出したいという気持ちがあるから行動する。その中で、彼女の意思に反する行動をしてしまったり、途中で気持ちが切り替わりやすい特性などがあるため、そういった部分は特に意識して演じました。
――脚本にはト書きで彼女の行動が細かに書かれていました。
そうなんです。でも普段の役作りのように、“このセリフを言うからこっちを向く”みたいな、言葉と動きが連動していない役どころだったので、とても難しかったです。普通に会話するテンポを意識しすぎると、綺麗に成立する会話になっちゃうというか。意思の疎通がスムーズに取れるときとそうでないときなど、希美のテンポを掴むのは苦労しました。

――長谷部役の唐沢さんとのシーンも多かったと思いますが、唐沢さんの印象や現場でのエピソードはありますか?
唐沢さんは明るく気さくに話しかけてくださった印象が強いです。撮影現場でお借りしていたお家の中で、一緒にお弁当を食べたりする時間もあって。そこですごく気さくにいろいろ話してくださいました。私だけでなく、希美のお母さん役の安藤玉恵さんとも一緒に、同じ空間でいろんなお話をさせていただきました。
――そこで作られていった現場の空気感みたいなのは結構あるというか
そうですね。撮影中も希美は周りに制御されず自由に動いていることが多いので、お芝居でも、唐沢さんが私の動きに合わせてやってくださったんです。そのおかげで、希美としてお芝居に向き合いやすい撮影現場になったと思います。

――検察官・溝川誠一役の増田貴久さんとは?
増田さん演じる溝川は、希美が少し気を許している検察官でもありますし、希美が事件と関わっていく上で、とても大事な役柄で。唐沢さんと比べると現場で深く話せたシーンはあまりなかったのですが、撮影が終わって別現場でお会いした時も「あ、久しぶり~!元気してる?」みたいな感じで優しく話しかけてくださってありがたかったです。お二人を始め、現場にいる皆さんが本当に優しくて。希美役を演じているということもあり、特に気にかけていただくことが多かったのかなと感じています。
――この作品を通して学んだことや得たものは?
個人的には初めて挑む役どころだったので、こういう性格だからこういう仕草や動きをする…とか、そういった役作りをしないという貴重な経験をさせていただきました。先ほども触れたように、その行動に対する理由みたいなものがこれまで演じてきた役とは違ったので難しかったなと思いつつ、そういうお芝居にこの作品で挑戦させてもらえたのはすごくありがたかったなと思っています。私はまだまだ経験が少ないので、今は挑戦できるものはどんどんやっていけたらいいなと思っていて。例えばこれから控える舞台にも初挑戦。稽古も含めてときどき怖いなという気持ちも湧いているのですが、やったことのないことはやってみないとわからないし、挑戦した期間に自分が経験したものはその先の自分のお芝居の栄養にもなるなと思うので、これからも怖がることなくいろんな挑戦していきたいなという気持ちです。
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