──凄惨な事件の創作は考えるだけで病んでしまいそうですが…。
感情の振れ幅を緻密に追いかける作業は、想像以上に困難でした。特に異常な心理や行動を持つキャラクターのリサーチでは、「こんな行動は現実にはありえない」と思うたびに、精神的な負担を感じることもありました。脚本を書く際、デスクトップに資料用のフォルダを作るのですが、今回は特に異様なフォルダ名が並びました。「殺し方1」「殺し方2」など、自分でも苦笑してしまうほどでした。
──脚本執筆時に、大切にされていることはありますか?
脚本を書くことは、人間を理解するための作業なのではないかと考えています。カッコいいセリフを書きたいとか、そういう気持ちはないんです。世の中には本当に多様な人がいますが、私は「この人はこういう人だ」と決めつけるのではなく、その奥深くにある本質を知りたいと思っています。上辺だけではなく、“もっと知りたい”と思って接すると、もしかしたら初めのイメージと違う人間的な一面に出会えるのかもしれないなと。私は人が好きなんです。
『地獄の果てまで連れていく』脚本家 :プロフィール
イ・ナウォン
1988年韓国生まれ。父の留学で子供の頃、茨城県で5年間、アメリカ・ポートランドで2年間過ごす。韓国の中央大学演劇学科劇作専攻卒業。韓国放送作家協会教育院卒業。(脚本家のキム・ジウ氏に師事)その後、SBS連続ドラマ『お願い、キャプテン』をはじめ、韓国でドラマの脚本アシスタントとして働く。
2016年、日本に留学。東京藝術大学大学院映像研究科脚本領域に入学し、脚本家の坂元裕二に師事。卒業後、日本を拠点に脚本を書いている。
■番組概要
[タイトル]ドラマストリーム『地獄の果てまで連れていく』
[放送・配信日時]地上波放送:1月14日(火)よる11:56スタート
毎週火曜よる11:56~0:26(※一部地域をのぞく)
地上波放送後、「TVer」「TBS FREE」にて1週間見逃し配信
先行配信:日本国内では地上波放送開始に先行して1月7日(火)から「Netflix」にて配信。その後、海外にて順次配信を予定
[あらすじ]
主人公の橘紗智子(たちばな・さちこ)が、悪魔のように非情なモンスター・花井麗奈(はない・れな)に復讐を誓う、命がけの復讐ドラマ。
高校時代、「人殺しの娘」と揶揄されていた紗智子の唯一の味方となってくれた麗奈。だが、麗奈の天使のような優しい笑顔の裏には、人を簡単に殺めてしまう殺人鬼の顔が潜んでいたのだ。紗智子とその父に殺人の罪を着せ、紗智子の父の命をも奪った麗奈。それから14年、顔も過去も全てを変えた紗智子は、新米母となった麗奈と再び対峙する。「生き地獄を味わわせてやる」と、紗智子はベビーシッターとして麗奈の家庭に入り込む。復讐に人生を捧げた一般人はモンスターを破滅に追い込むことができるのか・・・挫折と葛藤を繰り返す、壮絶な復讐劇が始まる――。
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