――本作は1人1人がどんな人間なのかがだんだん明らかになっていく物語。お互い、撮影を通して知った素顔をあげるなら?
荒木 曽野さんは意外とノリがいい!
曽野 意外とね。
荒木 すごく真面目そうで、いい先輩感あるじゃないですか。こっちが話をしたら、「うんうん」って聞いてくれるけど、静かに物事を俯瞰している感じがしたから、ちょっと距離を置いたほうがいいのかなって勝手に思ってて。でもいざ撮影が始まったら、僕と夢野がふざけてたら毎回乗ってくれるし。面倒くさがられたりもしなかったし。
曽野 結構めんどくさかったっすよ?(笑)
荒木 こういうところがいいですよね(笑)。
曽野 ふふ。僕もそういうノリが好きだし、作品も好きだし、みんなと楽しくしてることが現場での息抜きになっていたというか。何もかもが楽しかったですね。
荒木 めっちゃ楽しくできたよね。
曽野 本当に中学生みたいなノリで(笑)。
荒木 夢野は夢野だしね。
曽野 いや?どこまでも夢野だったね?。
藤本 素の僕と変わらなかったらしいです(笑)。
荒木 このままですよ。
藤本 撮影もこのまま。
荒木 だからこの質問にも、「夢野の夢野なところを知ってますよ」って答えたい(笑)。
藤本 飛羽くんはおちゃめなところがいっぱい出てましたよね。
――現場で「オムライスが好き」と話して、曽野さんも可愛いと絶賛した荒木さん。
藤本 僕も好きなんですよ? オムライス。
荒木 えぇ? でも愛が負けてると思うけどね。だって1週間ずっとオムライスを作り続けたことある?
藤本 ないけど、僕はナイフで切るやつに挑戦しようとしたよ。
荒木 卵を割るやつね。俺も挑戦したよ。
藤本 できた?
荒木 3回やって3回失敗した。
藤本 僕も! 3回やって3回失敗してる、あれ本当に難しいんです。
荒木 無理! できる気がしない。
藤本 …という、かわいらしいところがたくさん見れた現場でした(笑)。
――曽野さんの素顔は?
藤本 近づきがたいとかじゃないんですけど、なんかずっしりしていました。
荒木 分かるかも。紳士だしね。
藤本 紳士よりもずっしりしてます(笑)。安心感もありますし、大人?って思う瞬間が何回もあった。
荒木 大人感を出さない大人だよね。(ドヤ顔)
曽野 なるほどねぇ(笑)。
荒木 上手いこと言えてちょっと気持ちよくなっちゃったなぁ(笑)。
曽野 顔に出てるよ(笑)。
――3人でご飯は行きました?
荒木 ここ(荒木と曽野)は行ったんですけど、夢野が…(笑)。
藤本 2人は柳田先生(阿部顕嵐)と行ってたもんね。
荒木 2回ぐらい行きましたね。
曽野 行きましたね。撮影中と、撮影外で。
藤本 え、2回も行ったんですか!?
荒木 僕は顕嵐さんとサウナも行ってるんで!
曽野 夢野、ごめんな。
藤本 撮影の兼ね合いで僕だけタイミング合わなかったんですよ…(泣)。
――撮影中は地方のロケ地で過ごされていましたが、どんな日々でしたか?
曽野 ここでしか撮れないんだろうなっていう映像がたくさん撮れましたね。
藤本 理想の地でした。ああいうところに寝そべって釣りしたいなと思いました。
荒木 寝そべって釣りするって新しいな?
藤本 ははは!
荒木 寝そべるだけで気持ちいいのにさ、それで釣りしちゃうんだ。欲が出ちゃってる。
藤本 簡単に釣れたらいいんだけどね、寝そべりながら…。
荒木 僕、釣竿持ってますよ。バス釣りするから。
藤本 本当に? 全然行ったことないから行きたい!
曽野 バス釣りするの?
荒木 よくする。
藤本 え、運転できる?
荒木 できないです。
藤本 じゃあどうやっていくの?
荒木 先生だ!
曽野 確かに、顕嵐さんなら連れて行ってくれそうだね。優しいから。
藤本 引率してもらおう!
荒木 先生!って言いながら、僕たち黄色い帽子かぶらなきゃいけないね(笑)。
曽野 幼稚園やん!
――最後に、この撮影を通して皆さんが新たに得たもの、感じ取ったものを教えてください。
曽野 桐野の気持ちに真摯に向き合ったときに、大前提として男の子が好きとか女の子が好きとか区別してること自体が違うんだなっていうことに気がついたんですよね。そこは一つ、自分が勝手に作っていた壁はなくなったのかなと。作品を通して、そういう部分でも成長できたのかなって感じました。
荒木 三島や桐野の役って、なかなか演じる機会の少ない役柄だと思うんです。だからこそ、より、三島を演じさせていただけてよかったなと思っていて。三島と桐野の屋上のシーンや、三島と夢野のシーン、作中には大事なシーンがいくつもあるんですけど。そういったシーンを演じることで生まれた感情って、この作品じゃなきゃ生まれなかった感情ばかりだと思っています。改めてこの作品、役と向き合うことができて本当によかったですし、これからも大事にしたいなと思っています。
藤本 僕にとってこの作品は、本当に役者としてのスタートラインだと思っていて。役作りをする上で、役のバックボーンを考えて、こういう考えから、ここではこういう動きをするんだろうなっていうのをたくさん考えて演じてきました。本当にまだまだ、役への向き合い方も、演じる上での相手とのやり取りにおいても経験不足の身ではあるんですけど、とにかく楽しんでお芝居することができたのが自分にとってはすごく大きなことで。最初こそ、たくさんのセリフを覚えられるのかなとか、そういう不安もあったんですけど。現場に入ったらそんな不安もなくなってて。
曽野 おお。
藤本 セリフを思い出すとかじゃなくて、ただ感情だけで喋ってたような感覚があって。ただ楽しかったなっていう実感だけが残ってます。これが役者として演じるっていうことなのかもしれない、そういう初めての感覚をつかめた大事な経験になりました。