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リーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』の大阪公演が開幕!

絵画と音楽と朗読が融合したリーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』が、12月15日に大阪・ABCホールで開幕した。

リーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』は画家・絵本作家のたなかしんが2019年に新聞連載として執筆。第53回日本児童文学者協会新人賞を受賞した「一富士茄子牛焦げルギー」を原作とし、河原雅彦が「朗読と演劇の中間」ともいえる「リーディングアクト」という特殊な形式で演出した。

3人の俳優が“ぼく”と“おとん”と“おかん”を演じ、時に“語り部”や“ぼくの親友”ともなって朗読の「声」で紡ぐ作品世界と、キャストが互いに視線や言葉を交わす演技で紡ぐ作品世界、その両方が体感できる。

初演は21年1月、“ぼく”を小柴陸、“おとん”を生瀬勝久、“おかん”を沢口靖子が演じ好評を得た。しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、大阪公演1日目を上演後全公演が中止となり、チケットを手にしていた多くの観客の観劇がかなわなかった。それから約2年、悲願の再演を果たした。

今回の再演では、“ぼく”を小柴(Ambitious/関西ジャニーズJr.)が続投、新キャストとして、“おとん”を橋本さとし、“おかん”を羽野晶紀が演じる。

小柴は2021年10月に関西ジャニーズJr.の新グループAmBitiousに所属、大学生にもなり、一回り大人になった姿で再演の舞台に立った。

また、今回はバックスクリーンに映るイラストを原作者のたなかしんが初演から新たに加え描き下ろしているとのこと、作品が随所でブラッシュアップされている点も期待だ。

おとん、と、ぼく。父子2人の年始の朝から物語は始まる。餅を焼きながら聞いていたおとんの夢の話は奇想天外だった。おとんは、夢の中に出てきた「富士山」に「夢をかなえてあげる」と言われ、とっさに「餅が焦げないようにしてほしい」とお願いしたと話す。そんなばかげた話を聞きながらオーブンの中を見ると、餅は…一向に焦げていなかった…。

小柴は一人の少年の、出会い、別れ、悲しみ…成長期に体験するさまざまな思いや葛藤を瑞々しく真っすぐに、そして情熱的に演じる。初舞台となった初演から時を経て、より深くより躍動的に“ぼく”を熱演する姿に胸を打たれる。

羽野は、笑いの絶えない家族の真ん中にきっとこのおかんがいたのだろうと想像せずにはいられないおかんを朗らかに生き生きと演じる。

橋本はいつも冗談でけむに巻きながらも心の奥に苦悩を押し込み、息子に温かいまなざしを向ける父を好演。橋本と羽野のコンビネーションがこの家族の色と一体感を増幅させるようだ。

ユーモラスでファンタジックでありながら、親が子を、子が親を思う気持ちはリアルに届き、心を揺さぶられる。寒い冬に、心の芯を温めてくれる一作となることは間違いない。

公演初日に向けて、キャストからのコメントが届いた。

[小柴陸コメント]

リハーサルを終えて、早くお客さまの前で披露したい気持ちでいっぱいです。リーディングアクトという形式ですが、演技をするシーンもあって芝居中にさとしさんの演技で素で笑ってしまう瞬間もあったり、リアルな気持ちでやりとりしながら”ぼく”を演じることができて、本当に楽しいなと思います。河原さんにも「うまくなった」と言っていただけて、それをずっと更新できるように、頑張りたいです。

[羽野晶紀コメント]

ようやく初日を迎えることができました。”リーディングアクト”という、普通の芝居ではなく本を読みながら芝居をするということがどんな感じなのか、ちょっと挑戦的なことだと思いながら稽古が始まり、毎日いろいろな発見がありました。背景のスクリーンにたなかしんさんの絵がたくさん出てくるので、本を読み聞かせしてるような、そんな雰囲気も一つ出たらいいかなと思ったり、おかんのセリフを言う時はおかんとして、ナレーションを担当しているところは僕の心を代弁しているところも多かったので、そこは使い分けてやってみようとか、毎日楽しく稽古をしていました。焦げた餅へのこだわりが強い家族なので、めちゃお餅が食べたくなり、家でオーブントースターで焼いてみました(笑)。めちゃくちゃうまく焦げ目が付いたから、やっぱりオカンの焼く餅は最高やなぁ〜と自画自賛。皆さまもこの舞台を見た後…餅が食べたくなるかも(笑)。ぜひ楽しみにご覧いただけたらと思います。

[橋本さとしコメント]

リーディングアクトでは言葉を大切に、まず僕ら演者が活字から立ち上がるもので心に絵を描けなければ、お客さんの心にも描くことができないと思っています。劇場の空間で、たなかしんさんの世界観を皆さんと一緒に心へ描きたいと思います。台本を持ちながらの演技はある種の手枷足枷にもなりますが、それを乗り越えた先の心の解放と躍動感をお客さまにお伝えできればと思います。この作品は、家族の絆とか命の尊さ、残された人は逝ってしまった人の気持ちをどうくみ取って生きていくかなど、いろいろと考えさせられますが、作品を通して人生のエネルギーを感じていただきたいです。

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