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山田杏奈×奥平大兼「早朝始発の殺風景」インタビュー

11人の高校生たちによる5つの密室会話劇「早朝始発の殺風景」。本作の2人の主人公、寡黙で謎めいた女子高生・殺風景を山田杏奈が、至って“普通”の男子高生・加藤木を奥平大兼が演じる。早朝、始発電車での出会いをきっかけに共に1つの事件を追う2人を、どのような思いで演じていたのだろうか。

――山田さんはWOWOWドラマ初主演、奥平さんは連続ドラマ初主演です。

山田 私は何度かWOWOWのドラマに出させていただいていて。でも主演という立ち位置は初めてだったので、聞いた時はすごくびっくりしましたし、うれしかったですね。やっぱり、WOWOWのドラマは時間をかけてじっくり撮って、ドラマを見たい人に届けるイメージがあるので、主演をさせてもらえるのはすごく楽しみでした。

奥平 これが良いことかどうか分からないんですけど、僕は“主演”というものに対してあんまり何も感じなくて。主演じゃない時と気持ちは変わらないです。でも、加藤木くんという役をさせて頂けることはすごくうれしかったです。最初に台本を読んで「面白そうだな」と思いましたし、若手の方がすごく多く出ていらっしゃるので、もし自分が出ていなくても気になって見ていたんじゃないかなって。

山田 確かに。私も思った。

奥平 そんなドラマの主演を務められるなんて、すごくうれしかったです。だからと言って、「めっちゃ頑張ってやろう!」というのは良い意味であんまりなかったですね。「いつもみたいにやろう!」という感じでした。

――台本を読んでの印象を教えてください。

山田 「青春は気まずさでできた密室だ」というキャッチフレーズがあるんですけど、それぞれのキャラクターがいろいろなことに葛藤しながら、1つの密室の中でお話が進んでいくという題材自体にすごくワクワクしながら読み進めた記憶があります。

――長いセリフも印象的です。

山田 セリフを覚えるの、とっても大変でした! 今までで一番大変でしたね。奥平くんもすごいしゃべってましたよね?

奥平 うん。特に電車のシーンは大変でした。

山田 震えましたよね(笑)。

奥平 震えました(笑)。

山田 同じ場面で長いシーンになるので、どうしたら飽きずに見てもらえるのかなと考えて演じました。

――奥平さんはいかがですか?

奥平 最初は、「加藤木くんはどんな子なのかな」「どういうふうにお芝居しようかな」と考えながら読んでいたんです。でも、殺風景の芝居次第でだいぶ変わってくるだろうなって思えてきて。山田さん演じる殺風景を現場で見てみないと、加藤木くんがどう対応していくかが想像つかなかったんです。だから、台本を読んでも自分が演じるってよりは読書という感じで「こういう物語なんだ」って思いながら読んでいましたね。物語の進み方や各話に出てくる登場人物を見て、すごく面白く感じたのを覚えています。

――実際に、山田さんの殺風景を見て、加藤木を演じる上で意識したことは?

奥平 加藤木くんは、気持ちを表に出さないで人に合わせる子だと思ったので、殺風景と話す時のスピードやセリフの間の取り方といった会話のテンポ感を大事にしました。

――ご自身が演じる役の印象は?

山田 殺風景は、話し方はとても社交的とは言えないですが、友達のために行動に出る子で。友達のことを思ったり、友達のために怒ったり、そういう感情はしっかりと出す子なので、そこは大事に表現しようと思ってお芝居をしていました。殺風景も加藤木くんと話すことによって少しずつ変わっていくので、そこも面白いキャラクターだなと思いました。

奥平 加藤木くんは性格が暗いわけでも、友達が少ないわけでもないですが、自分の素を出すことを拒んでる人なのかなと。それでも心の奥ではちゃんと自分の考えを持っている子なんじゃないかと考えました。それから、高校生っぽさを出したくて、加藤木くんの不器用なところを意識して役作りをしていましたね。加藤木くん本人は相手に合わせられているつもりでも、実はうまくないことが殺風景にはバレてるから、たまにその不器用さが垣間見えたらいいなと思って演じていました。

――初共演となるお二人ですが、お互いの印象や感銘を受けたところは?

山田 『MOTHER マザー』を拝見していたので、「あの子だ!」って思いました。そういえば、さっき思い出したんですけど、最後に丸刈りにしてたじゃない? 丸刈り姿が私の弟にすっごく似てて!

奥平 アハハハハ! そうなんだ!

山田 思わず母親に連絡してしまったことを思い出しました(笑)。現場でもずっと演技を見て「すごいな」と思っていたんですが、今の話を聞いていたら「すごく合わせてくれていたんだな」って申し訳なくなって…。

奥平 いやいやいや!

山田 でも、私がどんなふうに演じても、加藤木としてそこにいてくれたんだろうなと思います。殺風景と加藤木として会話していると感じることができたから、心地よく演じさせてもらいました。

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