長野博が初単独主演を務めたブロードウェイ・ミュージカル『バイ・バイ・バーディー』が、10月18日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場にて開幕した。
一度聴いたら忘れられない! キャッチーな楽曲に彩られ、キュートかつパワフルで底抜けにハッピーなコメディー・ミュージカル『バイ・バイ・バーディー』。舞台は1960年代のアメリカ。本作が誕生した当時、アメリカ中を熱中の渦に巻き込んでいたキング・オブ・ロックことエルビス・プレスリーの徴兵エピソードからヒントを得て作られたこのミュージカルは、ブロードウェーでロングランヒットの大好評を博した。1961年にミュージカル作品賞をはじめとするトニー賞を受賞するなど観客を沸かせ、その後63年には映画化、09年にはブロードウェー再上陸を果たすなど、長らく愛されている作品だ。
音楽会社でマネジメントをしている主人公アルバートを演じるのは、懐の深い包容力が魅力の長野。共演には、アルバートの恋人兼秘書のローズに霧矢大夢、世界中の女性をとりこにするスーパーロックスター、コンラッド・バーディー役に松下優也。また、寺西拓人、日髙麻鈴、内海啓貴、敷村珠夕や、田中利花、樹里咲穂、今井清隆といったバラエティー豊かな実力派がそろった。
初日公演を前に、公開ゲネプロおよび取材会が開催され、長野、霧矢、松下、寺西の4人が登壇した。
あいさつに立った長野は「稽古を1カ月ほど重ねてきて、ようやく初日を無事に迎えられてうれしいです。この時期なので、お客さんが来てくださることにも感謝です。稽古は、それぞれの仕事のすれ違いがあって、なかなか一緒にできなかったのですが、集中して、みんなでまとまっていきましたし、雰囲気よく楽しく過ごせました」と、初日を迎えた思いを語った。
取材会では、長野の印象について共演の3人が語る場面もあり、「温かい空気のオーラを常にまとっている方。隣にいてすごく安心するんです」(霧矢)、「稽古場でも席が近いんですが、穏やかで温かい空気をまとっている優しい方です」(松下)。「大先輩なので緊張していたのですが、稽古場でもこの雰囲気のままいてくださって…。やっぱり、主演の方の雰囲気が稽古場の雰囲気になる。ホントに平和な方という印象です」(寺西)と、長野の人柄が表れる発言が相次いだ。
和やかなムードで進行した取材会の最後は長野が「『バイ・バイ・バーディー』の日本初公演になります。とてもすてきでたくさん笑える、幸せになれる作品になっていると思います。ぜひ、劇場に足をお運びください!」とメッセージを送って締めた。
KAAT神奈川芸術劇場・ホールでの公演は10月30日(日)まで。その後、大阪公演が11月5日(土)~7日(月)まで森ノ宮ピロティホール、東京ファイナル公演が11月10日(木)にパルテノン多摩 大ホールにて。
撮影◎源賀津己