小泉孝太郎「連続ドラマW 松本清張眼の壁」インタビュー

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2022/6/17
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――追い詰められた萩崎を演じるのは苦しかったのでは？

萩崎は、とにかくずっと苦しいんですよ。唯一、心のよりどころでホッとするシーンは上地雄輔とのシーンしかなくて。あとは追い詰められて、もう疲れて憔悴（しょうすい）し切っている。画面からも、披露してやつれているのが感じられたので良かったなと思いました。追い詰められている萩崎を、表現したいなと思っていたので。

――上地さんは実際と同じく、劇中でも萩崎の親友・村木を演じています。

雄輔とは親友というか腐れ縁のようで。１歳違いだけど、雄輔の全てを見てきたし、お互いがお互いを熟知しているから、逆に「いいのかな？　親友役が雄輔と僕で」って不安になったくらい。大丈夫だったかな（笑）。でも、こんなに雄輔に感謝したことはなかったですね。撮影が終わって数年ぶりに雄輔とご飯に行って、感謝の気持ちを伝えました。現場で、雄輔に何度も救われていたので。

――その時の上地さんのリアクションは？

雄輔も素直に喜んでました。「いや、俺もうれしかったよ」って。「こうちんと親友の役、本当にうれしかったな、また作品でガッツリと一緒になりたい」って言ってくれて。「お互いそれなりに年を重ねたんだな」という話もしましたね。「雄輔も大人になったな。ちゃんとセリフが頭に入ってて感激したよ」って言ったら、「いやいやいや、いつの話をしてるの！」なんて言ってましたけど（笑）。

――萩崎と村木の関係性から、実際の２人の関係性も見えたような気がします。

うん。雄輔だから出た表情もあると思います。僕も映像を見て、思いましたもん。２人のシーンの時にしか出ない、ちょっとした笑顔とか安堵感っていうのは、相手が雄輔だからでしょうね。村木の部屋のソファで、２人でご飯を食べながらセリフを言うシーンがあるんですけど、そこで気付いたら僕と雄輔、ピターッと体をくっ付けていたんですよ。お互い寄り掛かって、そばをすすりながらセリフ言ってて。あれは雄輔じゃなきゃ、できないでしょうね。役者さんと触れ合ったら普通、親友役でもちょっと離れますもん。「あ、近過ぎたな」って。互いにもたれ掛かりながらあのシーンをやり切ったっていうのは、本当の親友だからでしかでないですよね。距離感にしても、相手が雄輔だからこその萩崎と村木の雰囲気が出たんじゃないかなと思います。監督が、ゲラゲラ笑いながらオッケーを出してくれたのも印象的でした。

――最後に、視聴者にメッセージをお願いします。

真実に近づけば近づくほどゾクゾク感が増してきますし、見終わった後もしばらく「眼の壁」の余韻に浸ってもらえる作品になったと思います。真実が明らかになるまでのゾクゾク感には自信がありますので、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。

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――「“眼”の壁」にかけて、五感のうちで一番自信があるのは？

視力は良いしなぁ…今でも裸眼で1.5ぐらいはあると思ので。あと嗅覚も自身ありますね。この香りはどこどこのホテルのエントランスにあったな」って場所の匂いを覚えてることが多くて。だから、匂いの記憶力にも自信があります。アロマオイルも好きで、家でよくたきます。レモンやグレープフルーツなどの柑橘系とラベンダーのような落ち着く香りが好きです。

――萩崎は自分の信念を曲げないで事件の真相を追求します。「曲げられないマイルール」を教えてください。

家に帰ったら、真っ先に靴下を脱いで足を洗う！　お風呂に入るんじゃなくて、足だけ洗います。スリッパも履かず靴下も履かず、素足で過ごしていたいんですよね。きれいさっぱりして、ペタペタ歩く（笑）。子どもの頃からの習慣が残っているのかもしれないです。子どもの頃から野球をやっていて、野球のソックスとかアンダーソックスってすごく泥だらけになるんですよ。そのまま家に上がったら砂や土で床が真っ黒になっちゃうから、帰宅したら足をすぐに洗うようにしていて。足を洗って素足で過ごすのが気持ちよかったから、今も続いているんだと思います。なんなら家に足湯が欲しいですよね。玄関とかに！（笑）　そのくらい、帰宅したらまず足を洗いたくなりますね。

Profile

こいずみ・こうたろう　1978年７月10日生まれ、神奈川県出身。主な出演作にドラマ「鎌倉殿の13人」（NHK総合）、「グッドワイフ」（TBS系）、映画『まともじゃないのは君も一緒』など。現在「ポップUP！」（フジテレビ系）月曜パーソナリティー、「ニンゲン観察バラエティモニタリング」（TBS系）にレギュラー出演するなどバラエティーでも活躍。映画『バスカヴィル家の犬シャーロック劇場版』が、６月17日全国公開。