ドラマ

小泉孝太郎「連続ドラマW 松本清張 眼の壁」インタビュー

松本清張没後30年となる節目の年に、WOWOWにて連続ドラマ化される「松本清張 眼の壁」。その主人公・萩崎竜雄を小泉孝太郎が演じる。追い詰められながらも、強い正義感を持って手形詐欺の真相を追い掛ける役どころを、小泉はどのように演じたのか。

――松本清張作品、そしてWOWOWドラマ主演という話を聞いた時のお気持ちを教えてください。

以前WOWOWで主演のお話を頂いたのが、7年くらい前の「連続ドラマW 死の臓器」で。僕、どの仕事も“最初で最後だ”と思って臨んでいるんです。だから、またWOWOWの連続ドラマの主演のお話を今回頂けてうれしかったですね。僕にまたオファーしてくれたんだ、って。しかも松本清張原作の骨太そうな社会派ミステリー。最初のうちは喜びが大きかったのですが、冷静になってくると、「これ苦しくなりそうだな」ってだんだん思い始めましたね。苦しい撮影の日々になるだろうなっていう。もちろん、やりがいもあるんですけれど、きっと苦しさもあるだろうと。ただ「どんな内容かな?」「どんな人物かな?」と、すごく気になりましたね。

――ということは、原作は読んでいませんか?

読んでないですね。監督が「読まないでいい」というのであれば読まないです。原作は原作として、ドラマや映画はまたちょっと別物として考えているので。

――では、「眼の壁」というタイトルからどんな作品を想像しましたか?

人の第一印象や色、例えば食事とかも目で判断するじゃないですか。このタイトルは、それだけじゃない深い部分を描いているんだろうなというのは想像できました。でも、本当に深かったです。深かった…! 深過ぎて正直、まだ答えは出ていないんです。ドラマを見てくださる方にもこの作品を見終わった後に改めてタイトルの意味を考えていただいて、「何だったんだろう、この『眼の壁』は?」と作品の余韻に浸ってもらえたら幸せです。実際、僕も5話まで一気に見て余韻に浸りました。

――実際に出来上がった作品を見て、どのような感想を持ちましたか?

改めて監督をはじめとする「内片組」に感謝しました。現場にいる時から、役者陣に対する愛情をものすごく感じたんですよ。「このシーンはこうですよ」とみんなに対して丁寧に説明してくれるし、丁寧に編集してつないでくれて。見事に「眼の壁」の、バブル時代のあの世界観に引き込まれて、2話、3話、4話と話を重ねるにつれてちょっと怖くなるようなゾクゾクする感覚を味わいましたね。それと同時に、改めてこの「眼の壁」で主演として、あの世界を生きられたっていうのはとても幸せな時間だったなと。自分の中で、この作品と出合えたことの幸せをかみ締めることが後々出てくるんじゃないかな。共演した加藤雅也さんが撮影の途中で、「このような素晴らしい作品と出会えるのは役者の運だし、これは絶対、小泉くんの代表作になると思う」と言ってくださったのもうれしかったですね。この作品と出合えた幸せをかみ締めながら、もう一度ゆっくりとドラマを見たいです。

――1990年の再現も見事です。

さすがWOWOWだなと思いましたね。“匂い”みたいなものが伝わるのがすごい。あの頃の喫茶店のシートや、車のシートのあの匂いが画から伝わってくる、視覚だけでなく五感で感じるようなものがありますよね。やっぱりバブルの時代を生きなくてはいけないので、撮影も衣装も一昔前の感じだし、車や電話ボックスも全てが昔の、あの頃のもので。スタッフさんも手配するのが大変そうでした。ついこの前のように感じていたのが、実はずいぶん昔なんだなと思いましたね。その時代の建物を取り壊しちゃってることも多いですし。ロケ現場、よく見つけてくれたなと。

――原作は読んでいないとのことでしたが、小泉さんが考える“松本清張作品”の特徴は?

僕の中では、“人間”っていうものをものすごく深く捉えていて、人間の生々しさや善人の匂い、悪人の匂いが伝わってくるのが特徴かなと思いますね。

――小泉さんが演じた萩崎は“善人の匂い”が特に強いように感じますが、演じる上で意識したことはありますか?

松本清張作品というプレッシャーはもちろん感じながらやりましたけれど、なるべくとらわれずに、ごくごく一般的な普通っぽい男として演じるように意識しました。もちろん心の奥底に熱いメラメラと燃えたぎるようなものは抱えていると思うんですが、それよりも実直さと純粋さ、普通であることを大切に演じましたね。だから“色”は付けないほうがいいと思いました。監督と衣装合わせでお会いした時も「今回色を付けないほうがいいと思うんです」というお話をして。監督も「そう演じてください。萩崎はどんどん追い詰められて『なんでこんな人生になってしまったんだ』とほんろうされる側だから。小泉さんが思うように、無色透明で演じてください」と言っていただきました。そこは意見が一致して良かったな。正解だったと思いますね。

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