ふぉ~ゆ~の福田悠太が主演、室龍太、松本明子らが共演の舞台『ボーイング・ボーイング』が5月14日に東京・自由劇場にて開幕した。
本作は、フランスの劇作家マルク・カモレッティによる戯曲で1960年にパリで初演されて以降、世界中で幾度となく再演され、08年度トニー賞では「リバイバル演劇作品賞」「主演男優賞」にも輝いた傑作コメディー。
モテない男ロベールがモテ男ベルナールを訪れたことから巻き起こるドタバタを描いた物語で、ロベールを福田が、三股をかけるベルナールを室が演じているほか、ベルナールが付き合う3人のキャビンアテンダントを愛加あゆ、大友花恋、飯窪春菜が、重要な回し役ともいえる家政婦・ベルタを松本が演じる。
開幕初日の昼公演後に行われた取材会に福田、室、松本の3人が出席した。
まず公演を終えての感想を聞かれて、福田は「ウケました! こんなにウケちゃって大丈夫なのかっていうくらい。手応えバッチリでございます」と笑顔で口にした。客席は大いに沸いたと言い、室は「関西人の性(さが)なんでしょうね。舞台で福ちゃんさん(福田)が笑いを取っていると妙に悔しい気持ちになりました」と明かす。松本は「福田さん、室さんは舞台の天才です。そして3人のCA役の彼女たちも。皆さんに囲まれて本当に幸せな空間。私が何をやらかしても助けてくれる福田さんがいらっしゃいますし、ムードメーカーの室さんがいますし…。稽古場も和気あいあいとしていました。素晴らしいチームワークです!」と語った。
役柄について問われた福田は、自身が演じるロベールについて「僕のための役だなと感じています。汗だくでめちゃくちゃ頭を使いますが、自分と共通点もあって、やっていてとても楽しいです」。一方、ベルナール役について室は「僕とは真逆です。こんなキザな口調ではしゃべらないですしね。苦労したのは、ゲラなのですぐ笑っちゃうこと。福ちゃんさんの動きとか、明子さんの動きとか、ツボに入っちゃって(笑)」と。すると福田も「稽古でも、作品を詰めていくとか心情を探求していくというよりも、この戯曲が面白過ぎるので笑わないようにするっていうのが大変でしたね」と振り返る。
取材会の最後に、改めてメッセージを求められると、松本は「1960年代の名作コメディーです。素晴らしい作品、素晴らしい出演者、温かいお客さまに囲まれた幸せな時間、大いに笑って、明日からの活力にしていただければ」、室は「暗いニュースばかりですが、ぜひ劇場に来ていただいて、明るく笑っていただければ。お待ちしています!」、福田は「浜松町の自由劇場と、京都の京都劇場でも上演されます。そこで一緒にたくさん笑いましょう!」とそれぞれが思いを伝えた。
公演は5月29日(日)まで同所にて。6月3日(金)~5日(日)まで京都・京都劇場にて。
撮影◎木村直軋