キャストに新型コロナウイルス陽性者が出たため、2月23日までの公演を休止していた舞台『群盗』が、2月24日に埼玉県・富士見市民文化会館キラリ☆ふじみにて幕を開けた。初日を迎えて、舞台写真と主演の小出恵介のコメントが届いた。
『群盗』は、フリードリヒ・フォン・シラーの傑作戯曲。物語の舞台は、18世紀中頃のドイツ。伯爵家に生まれた主人公カールとその弟フランツ。放蕩(ほうとう)息子であるものの父の信頼が厚い熱血漢の兄、 幼い頃から父の愛に飢え、兄への憧れが次第に深い憎しみへと変貌し冷徹に生きる弟。フランツの策略により兄カールは父からの勘当を言い渡され意の底に落ちたカールはやがて盗賊団のリーダーとなり義賊的な活動におよんでしまう。共に永遠の愛を誓った恋人アマーリアはカールへの永遠の愛を胸に…。
主演のカール役に、本作が約6年半ぶりの舞台復帰作となる小出。ヒロイン(アマーリア役)はオーディションにて選ばれた期待の20歳、池田朱那。兄と敵対する弟・フランツにはミュージカルでも活躍する新里宏太。 演出は、埼玉県・飯能市にあるムーミンバレーパークのクリエーティブディレクターやイベントプロデュースなど多方面で活躍する小栗了が手掛ける。
登場人物の激しくも切ない葛藤を描く傑作戯曲『群盗』。 悲劇の中に芽生える深い愛と憎しみのストーリーは、人が行う不変的な何かを教えてくれることだろう。
[小出恵介コメント]
――実際の舞台に立って。
6年半ぶりの舞台出演となりますが、小屋入りしてみて、いよいよ本番という実感をかみ締めています。久しぶりに舞台に立ち、また演じられる、公演できるということを非常にうれしく思います。
――公演開始が2月24日に延びて。
本来よりも6日間遅れての開演となり、中止となった公演にお越しいただく予定であったお客さまに、まずはお詫び申し上げます。1カ月半もの間、みっちり稽古をして入念に準備を重ねてきただけに、初日からの中止は本当に悔しく、申し訳ない気持ちでいっぱいです。まだここに戻れていない仲間もいて、その彼らの思いも紡ぎ、背負って初日を迎えられたらと思います。
――見に来てくれるお客さんへ。
小栗了さん初演出の下、丁寧に稽古を重ねてきたので、きっと楽しんで見ていただける内容になっていると思います。コロナ禍の状況下、劇場に足をお運びいただくお客さまには本当に感謝に尽きます。お越しいただいた方が報いられるような誠意と姿勢を持って、『群盗』というこの作品をお届けしたいと思います。
なお、公演は2月27日で終了。