板垣　山本さんってすごく恥ずかしがりなんですよ。キスシーンとか胸きゅんシーンの前に、一呼吸入る感じがあるんですよね。いつもはにこやかに現場に入られて、「お芝居しよ」みたいな感じなんですけど。その時だけは「フー…」みたいな。最初「怒ってるのかな？」ってちょっと思いました。

山本　怒ってるんじゃないよ、緊張してたの。

板垣　それぐらいピュアというか。すごくちゃんと恥ずかしがってくれるので。

山本　やめてよ、絶対書かれるんだから（笑）。

板垣　ハハハ（笑）。いい意味で本当に好感が持てるし、こっちもより一層、誠心誠意やろうと思いました。

山本　ありがとうございます！

――お二人は、原作の動きや表情もすごく意識されたと。特に研究したシーンは？

山本　私は原作に近い感じを表現したいなというふうに思っていたんですけど、やっぱり漫画原作の難しいところって、一人一人の想像でその漫画の絵を動かしてるから、こっちがどううまく動いてこれを伝えるのか、答えがなかなか見つからないことなんです。これに限らずいろんな作品でもそうですが、やっぱり多少は山本舞香が入っちゃてるかな。原作の方に申し訳ないんですけど、多少入っちゃってて。

――ネクタイ引っ張っているメインの写真は角度とかも気にされたそうですね。

板垣　すごくこだわりましたね。漫画を見ながら角度変えて撮って。

山本　漫画の表紙を見ながらカメラマンさんが「もうちょっとこっちに、ネクタイを！」みたいな感じでね。「もうちょっと近めで！」とか言われながら撮影しました。

板垣　やりましたね（笑）。

――ドラマ撮影はTELASA版と同時進行で行われたと。TELASA版の見どころや、地上波放送版との違いは？

板垣　地上波版では描けない部分を全部描いているっていう部分だと思います。金城さんの恋愛の行方は、本編を見た人は必見だと思いますし。あと、地上波版では描かれていない心情も分かったりするので。TELASA版の方では、僕ももしかしたら板垣瑞生が入っちゃってたかもしれないですけど…。TELASA版と地上波版では全然違うテイストの作品にはなってると思います。

山本　普通は地上波版が終わってからTELASA版へ…とかになると思うんですけど、TELASA版を先に出して、黒瀬が本当はこう思ってるんだよって視聴者に見せてから地上波版で仏頂面の黒瀬を見せるっていう、新感覚な楽しみ方があると思います。「本当はこう思ってたんだよね」って、地上波を見てからもう一回TELASA版に戻れるような見応えがあると思います。「金城が本当はこう思ってるし、裏では奈緒とこういうやり取りがあって、黒瀬と金城にはこういうやり取りがあって…」とか、地上波版では描かれていない部分がたっぷりTELASA版にはあるので。二つが組み合わさって、どう一つの作品ができるんだろうというワクワク感があります。私自信も楽しみです。

――今お話にも出た、金城役の塩野瑛久さんの印象は？

山本　初日からめっちゃ話しました。

板垣　一緒にお芝居は初めましてでしたけど、本当に柔らかいお兄さんですね。なんか柔らかくないですか？

山本　優しいんですよね、すごく。

板垣　物腰が！

山本　静かにニコニコしてみんなのことを見守ってくれている感じがしました。みんなより年上だから一歩引いて見てくれている感じもあって。金城さんと二人のシーンでも、 “奈緒に対してこう思ってるんだよ”っていうのがスッと私の中に入ってきたんです。一緒にお芝居していてすごく心地よかったです。

板垣　すごく分かります。パスが本当に自然なんです。それこそ、どう返ってきても受け止めてもらえるような感じで。結構バチバチしたシーンとかもあるんですけど、こっちがやった以上にしっかり返してくださる方でした。

山本　金城さんは常に余裕があるので、どれだけ黒瀬に言われても余裕のある感じでスッって返していたイメージです。

――山本さん、個人的には黒瀬と金城どちらがいいなと思いましたか？

板垣　ちょっと待ってください…！（耳をふさぐ）

山本　どっちかな…。私は正直、どっちもタイプじゃないんですよね。

板垣　（耳を塞いでいた手を取って）え、どっちでもない!?　なるほど…。

山本　自分が「あ、好きだ」って思ってるとこっちから行っちゃうから。だから、どっちからも来られてる奈緒の立場を考えると、山本舞香としてはどっちでもないな…って。私は、素直で強くて二人の性格がミックスした感じが好き。これが正解だね。

板垣　なるほど…。

山本　どっちも重なった一人の人をくださいっていう感じ。

板垣　ハハハ（笑）。金黒が欲しいわけですね！

COLUMN「日常生活で感じるきゅんは…？」

板垣　この季節になってくると毎年思うんですが、カイロですね。撮影現場とかで「寒いでしょ」って言ってカイロをもらったりすると、きゅんきゅんしちゃうんですよね。