俳優・新納慎也の演出家デビュー、高橋惠子のミュージカル初主演作であるミュージカル『HOPE』。永田崇人、小林亮太という注目の若手がWキャストを務めることでも話題の舞台が、10月1日に本多劇場にて開幕。
初日公演を前にフォトコールおよび取材会が行われ、上演台本・訳詞・演出を務めた新納とメインキャストの高橋、永田、小林がコメントを寄せた。
[新納慎也コメント]
昨日の舞台稽古の時点で、演出家席で号泣しました。お客さま同様、僕自身も「早く本番を見たい!」というワクワクでいっぱいです。僕は昨年の4月、一番最初の緊急事態宣言が発令する直前にこの舞台に立っていました。20数回公演予定だったものが「不要不急」という言葉で、たった4回しかできずに舞台を降りることになりました。それがこの本多劇場だったんです。こういう形で、しかもずっと僕が挑戦したかった演出という形でカムバックできたことを感慨深く思っています。『HOPE』はエバ・ホープという女性の物語。ホープの人生を見ていると、生きるということの大切さやどう生きていくかということを考えさせられます。特に多くの方が亡くなったこのコロナ禍で、この先どうなるかもいまだ分からない世の中、そのメッセージはビビッドに伝わってきます。心を動かすというのは、人間の特権です。もちろん動画や映画でも心は動きますが、生の人間が生の声で生の呼吸で演じ、みんなが同じ空間でそれを味わうというのは劇場特有の体験であり、僕はこれが、一番心が動くと思うんです。緊急事態宣言も解除されましたので、今こそ心を動かしに劇場にいらしてください。
[高橋惠子コメント]
私にとっては初めてのミュージカル。ミュージカルをやる役者さんは本当にすごいですね。歌って踊って芝居をして、決め事も多く、ストレートプレイとは違う要素がたくさんある。でも改めて音楽の力は素晴らしいなとも感じています。言葉だけでは伝わらないものが、メロディーに乗ると伝わる。ハーモニーの素晴らしさや動きによって表現できることも多い。ミュージカルの素晴らしさを改めて実感しています。この『HOPE』という作品は本当に奥が深い物語です。稽古していてふと思ったのですが、私は生まれる前からこの作品をやると決めてきたように思えます。それくらい、私にとってはやらなければならない作品。ホープはユダヤ人で、ユダヤ人として生まれてきたことのつらさや悲しみが裁判の中でどんどんえぐられていきます。でも新納さんが、これはセラピーのようなものだ、裁判を受けていく中で浄化されていくんだと仰いました。ホープは最後に、新しく旅立っていく。そのことが私にとっても、そして見てくださる方にとっても希望になっていけばいいなと思います。ぜひ、多くの方にご覧になっていただきたいと思います。
[永田崇人コメント]
『HOPE』というタイトル通り、見ると希望が芽生えてくる作品です。新しいことにチャレンジするのは、いつだって勇気がいること。僕もミュージカルはさほどやっていませんので、今回は自分にとっては大きなチャレンジでした。何かそういう「やってみたいな」「頑張りたいな」と思っている人の背中を押してくれる作品になっていますので、ぜひ劇場にお越しください。
[小林亮太コメント]
Kとして、歴史ある本多劇場でこの作品に出演できることがうれしいです。皆さまの心を浄化できるように、愛をもって日々作品をお届けしたいと思います。緊急事態宣言も明けて、当日券も出るとのこと。下北沢で芝居が見たいなと思って、当日引換券の販売があるのはすごくうれしいことだと思うので、お時間があれば足を運んでいただけたらと思います。
公演は10月17日(日)まで、東京・本多劇場にて。
撮影◎岩田えり ©ミュージカル「HOPE」製作委員会