10月~11月にかけて東京と大阪で、佐藤アツヒロ主演の会話劇『YARNS』~紡ぎ糸/作り話~の上演が決定した。
本作は、脚本家・演出家の鈴木勝秀による“能と現代劇の融合”を目指す新作シリーズの幕開けとなる作品。脚本家・演出家の鈴木勝秀(スズカツ)は、2014年に『ハナガタミ』(花筐)という能楽を現代的によみがえらせる試みをして以来、能楽と現代劇の融合を模索し続け、“スズカツ能楽集”としてシリーズ化を目標としてきた。
今回の『YARNS』は“スズカツ能楽集”のスタートとなる作品。「ヤーンズ」とは、英語で「紡ぎ糸」という意味で、さらに、「作り話」「大げさなホラ話」といった意味も。果たして患者の語る物語は「真実」なのか「作り話」なのか……。カウンセリングや告解をのぞき見ているような不思議な雰囲気をつくり上げ、人々の繊細な心情を描き出す。
主演は、今作でスズカツとは6回目のタッグとなる佐藤アツヒロ。お互いの信頼も厚く、また、スズカツへ大きな影響を与えている佐藤が、見知らぬ女を夢に見て苦しみカウンセリングを受けに来る患者・スガヌマを演じる。さらに、夢の中に出てくる詩人の男を鈴木裕樹が、精神科医ランバシの息子のトオルを前田隆太朗と大山将司がWキャストで、精神科医・ランバシを中村まことと加納幸和がWキャストで演じる。
数多くの作品で活躍を続ける実力派と演劇の次世代を担う若手が集結して繰り広げる、スズカツの新作会話劇にご期待を。
[STORY]
高校の同級生との再婚を考えているスガヌマは、ある日から見知らぬ女の夢を見るようになる。この夢に苦しむスガヌマは、精神科医・ランバシの勧めにより、夢日記と箱庭療法を始めた。ランバシの実子であるトオルには激しいマザーコンプレックスがあり、時々カウンセリング・ルームに現れてはランバシを困らせる。夢日記と箱庭療法によって、スガヌマの奇妙な夢の細部が次第に浮かび上がってくる。箱庭に表現された灯台のある風景は、スガヌマの幼少時に描かれた絵と同じものだった。これは前世の記憶かもしれないと疑うランバシと、にわかには信じられないスガヌマ……。二人は、さらにスガヌマの深層へと下りていく――。
[佐藤アツヒロ コメント]
今回の出演にあたって、再びスズカツさんの世界観を体感し、舞台上で表現できることを幸せに思います。スズカツさんとは、今までの作品を通していろいろな価値観を共有し、物の捉え方や感じ方に僕は常にワクワクドキドキしていました。これまでも、ほとんどセッションのような、その場その場で起こる物語を体感し表現してきたので、今回も二組のダブルキャストや物語の軸となる深層心理によって、何が起こるか分からない、新たに濃い演劇的セッションが生まれることがとても楽しみです。自分自身の中にあるスズカツさんへの思いと、共存し合う価値観、そしてさらなる探究心を持ち、このキャストで新たなスズカツワールド『YARNS』に挑みたいと思います。そしてこの新しいスズカツワールドに挑戦してスズカツさんがニッコリしているところを見たいです。
公演は10月7日(水)~11月8日(日)まで東京・浅草九劇にて、11月21日(土)~23日(月)まで大阪・シアター・ドラマシティにて。