――共演を重ねてみての、中居さんの印象は?
繰り返しになりますが、メディアで見ている中居さんって、もちろんマジメな性格や努力家なところは伝わってくるけど、どちらかというとそこまで重くないというか、ヘビーかライトかで言うとライトなイメージがあったんです。けれど会えば会うほど、話せば話すほど、そうじゃない。ものすごい深く考えている方ですよね。だから、毎回収録前にはいろんなことを考えて準備されているんだろうなと思います。
また、元々のイメージがより深まった部分としては、めちゃくちゃ優しいんですよ。優しくて、思いやりが深い。番組の中でも、新・日本男児に対して投げ掛ける厳しい言葉に、愛情がすごくあるなと思っていて。中居さんが新・日本男児に厳しい視点を投げ掛けて僕が共感ポイントを見つける、攻めと守りみたいな役割になっているのが冒頭の相性の良さの話に繋がっているのかなとも思います。一見ひょうきんに見えて、実は本質的には真剣で、重たくて、愛情深くて…。心からイイ男だなって思います。さすが大スター。みんな、惚れちゃいますよね!
僕の中では、「めちゃくちゃ努力してその努力を前面に見せる」のは、いわば昭和の価値観だったんですけど、中居さんはもしかすると、その一世代前の価値観なのかもしれない。その、いぶし銀的な“努力は表に見せるものじゃない”っていうのが僕にとっては新鮮で、そういう意味ではちょっと自分の価値観も揺さぶられています。実際自分の行動も結構変わっていて、中居さんと会ってから、あんまり“努力”とか“頑張る”とかを見せたり、言わなくなりました。
ツイッターでも前は「今日も頑張ろう」とか「朝4時だけどもうちょい頑張る」というスタンスだったんですけど(笑)、こういうことはあまり言わなくなりましたね。「今日もゆるっと楽しくいこ~」、「しょうが焼きうめぇべ!」みたいな感じでいきたいなって(笑)。普段は「しょうが焼きうめぇべ」で8割頭が埋まっているように見えるけど、実際はそんなものは1%で、99%はすごく深くマジメに、どうしたら見てくださる方を楽しませられるか、共演している方の良さを引き出せるかとかを考えているって……偉大ですね、本当に。憧れます。最近の僕の発信のスタンスも、彼の影響で変わっているところがあると思いますね。
――今後、どんな“新・日本男児”が現れたら、中居さんの価値観が揺さぶられると思いますか?
僕は、「時代は必ず揺り戻す」と常々思っています。だから、一周グルっと回って中居さんの価値観にバチっとハマる世代が現れると思う。今この番組で出てきているような人たちの、次の世代になるのかな。昭和的価値観をベースに、なんらかの新しいテクノロジーや現代的なものをブレンドした価値観を持った人。新世代だけど、中居さんと本質は変わらないね、っていう人を連れてきたらハマるんじゃないかと思うんです。例えば中居さんが、「屋台は確かに最高だけど、でも別に新しくないじゃん」と言った時に、「いや中居さん、今屋台がめちゃくちゃ面白いんですよ! こんな屋台アプリがあって…」と反応するような世代。新しいものが溢れすぎているからこそ、かえって、新しくないものや古き良きものが再評価される時代に向かっている気がする。本当に、10代の子と話していると中居さんみたいなことを言う子も多いんです。だから、二世代くらい越えたその子たちに、中居さんは共鳴するかもしれないな、と。そんな化学反応が起きる日を楽しみに、また番組にワクワクした気持ちで遊びに行けたらと思います。
【PROFILE】
まえだ・ゆうじ 1987年6月23日生まれ、東京都出身。SHOWROOM株式会社代表取締役社長。昨年出版した著書「メモの魔力」がベストセラーに。「バーチャルジャニーズプロジェクト」のプロデューサーも務める。
「新・日本男児と中居」
日本テレビ系 毎週金曜 深0.30~0.59
https://www.ntv.co.jp/shinnihon/
写真/松井伴実
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