歌舞伎の世界にも、ついに宮崎駿作品が登場する。
宮崎駿の漫画「風の谷のナウシカ」を原作とした新作歌舞伎が、12月に東京・新橋演舞場で上演されることが決定した。
宮崎駿が1982年に雑誌「アニメージュ」にて連載を開始し、足掛け13年をかけて完結した大作漫画「風の谷のナウシカ」。1984年には宮崎駿自身の監督で連載途中で映画化され、現在に至るまで日本のみならず世界中で愛され続けてきた。そんな国民的人気を博している「風の谷のナウシカ」の新橋演舞場への登場。宮崎駿作品が歌舞伎舞台化されるのが初であるだけでなく、スタジオジブリの関連作品の歌舞伎舞台化もこれが初となる。この壮大な物語を、昼の部・夜の部通しで上演、しかも映画では描かれなかった原作のストーリーの全てを舞台化する。
脚本は丹羽圭子。映画『思い出のマーニー』『コクリコ坂から』『借りぐらしのアリエッティ』などスタジオジブリ作品の脚本を多く担っている。演出を務めるのは、「東雲烏恋真似琴(あけがらすこいのまねごと)」で初めて歌舞伎を手掛け、2018年に手掛けた新作歌舞伎「NARUTO-ナルト-」も大きな話題となったG2。
主人公のナウシカを演じるのは尾上菊之助。蜷川幸雄演出の「NINAGAWA十二夜」ではシェークスピアの本場・イギリスでも公演し、また2017年10月に上演された新作歌舞伎「極付印度伝(きわめつきいんどでん)マハーバーラタ戦記」も大きな話題となった。今度はナウシカに挑む。そして、ナウシカと対をなすトルメキアの皇女・クシャナを演じるのは中村七之助。他にも、尾上松也、坂東巳之助、尾上右近の出演が決定している。
「風の谷のナウシカ」の上演が決まって、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは「ナウシカを古典歌舞伎でやる。それが面白いと思ったし、どういうものが出来るのか楽しみです。一観客として、楽しませてもらいます」と舞台化に期待を寄せている。