香取慎吾主演、白石和彌監督で6月28日に公開の映画『凪待ち』の完成披露が6月5日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで開催され、香取慎吾、恒松祐里、西田尚美、音尾琢真、リリー・フランキー、白石監督が登壇した。
作品は宮城・石巻を舞台に、人生につまずきどん底まで落ちた男を主人公にした「喪失と再生」の物語。香取が演じる主人公・郁男の恋人役の西田は「香取さんは大スターだけど、現場ではやさぐれ感がとても素敵で…。イスに座って風に吹かれていた香取さんがとても好きでした」と。その言葉に「はあ~。…うれしいです」と喜んだ香取は、「西田さんは郁男を温かく迎え入れてくれていたので本当に大好きで。甘えてばかりな郁男で、そこからの衝撃的な展開は心がズタズタになりながら、西田さんのことを思い続ける映画でした」と撮影を振り返った。
白石監督作品の常連でもある音尾は、「皆さんにも知っておいていただきたい。私と監督は高校が一緒でして、学年は違うんですけど、白石監督のほうが僕より1個上。つまり監督は香取さんの2個上。香取さんでさえも1年後は(自分を指し)こうなり、2年後は(監督を指し)こうなる」と語り会場の笑いで盛り上げ、リリーは「男が男の色気を感じるってあまり経験がないんですけど、慎吾ちゃんの強烈な色気で。それにドキドキしながら過ごしていました」と明かした。
最後に香取は「新しい道を歩み始めましてもう1年以上経つんですけど、初めての1人の映画ということで、すごいプレッシャー、緊張…、ちょっと気負い過ぎている部分もあったんです。でも、完成したものを見た時に、“自分の映画”ということはまったくなく、素敵な監督と出会えた、“白石監督の映画『凪待ち』”として素晴らしい作品に参加できたと思っているので、一人でも多くの方に観ていただけたら」と感慨深げにじっくりとあいさつ。完成した作品への自信と期待を見せた。
また、試写会後の囲み取材には香取とリリーが出席。二人は、香取が草彅剛と続けているラジオ番組に、26年ほど前にリリーが放送作家として携わっていたという関係性。「僕はお芝居をする人として慎吾ちゃんの前に行くのは心苦しいし、慎吾ちゃんの方は“作家のリリーさんだ”と思ってると思う」というリリーに、香取は「そんなことない! リリーさんが、気付いたらバラエティに出始めて、気付いたらお芝居をしていて…。『なんでリリーさんがお芝居してるの!?』って草彅と言ってたんですが、結構早いうちからステキな俳優さん、好きな俳優さんとしていつかご一緒できたらと思っていたので、このタイミングでリリーさんがいてくれたのは心強かったです」と。「本当にそう思ってます?」「思ってますよ!」という掛け合いからも、信頼関係がのぞいていた。
撮影期間中、個展の準備をしていた香取がリリーに「絵の依頼を受けて描く時のもどかしさ」などについてアドバイスを求めたことがあったと明かすと、リリーは「僕が言ったのは『締切は守りなさい』だけ」と。
香取が今回の共演で発見したリリーの新しい一面を「撮影が終わったら本当にスナックにいるんですよ(笑)。これは新しくないんですけど、その後で僕がまだ撮影してるところに来てくれたりして。自分の出番じゃないのに、ちょっと寄るのではなく結構いる。スナックに行った後に戻ってきて、自分以外の撮影の現場を見ていたいリリーさん、というのは知らなかったです」と報告した際には、「このシーンは絶対に生で見たいなというシーンは(台本を)折ってました」と作品、現場への熱い想いを告白したリリー。さらに、現場では“見学に来る町のオジサン”のマネをして香取に話し掛けていたそうで、「何、撮影?」(リリー)、「あ、はい、撮影です。ちょっとすいません」(香取)、「『相棒』の撮影?」(リリー)、「いや、『相棒』ではないんですけど…」(香取)と、当時のやりとりを再現。「結局大切なシーンだから行ったのに、オレがそういうミニコントを仕掛けて迷惑をかけてました(笑)」と、シリアスな作品の撮影中の貴重な楽しいエピソードを披露してくれた。
記者から、「俳優、絵、歌…いろいろされていますがご自身が思う肩書は?」と問われ、「今は俳優。日によって違って。今はこの映画を公開して皆さんにしっかり観ていただくために、俳優な雰囲気で…雰囲気!?」と会場を笑顔で沸かせた香取。スクリーンで見られるいつもとは違う顔に期待が高まる。
映画『凪待ち』は、6月28日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー。6月18日~24日には、名古屋・大阪・福岡・札幌で異例の「全国縦断完成披露舞台挨拶付き上映会」を行う。
『凪待ち』6月28日(金)公開
http://nagimachi.com/
配給:キノフィルムズ (C)2018「凪待ち」FILM PARTNERS
1
2