このドラマでは、古田新太ふんするゲイで女装家の高校教師・原田のぶおが、独特なキャラクターで生徒たちの抱える悩みや不安と向き合っていく。
阿久津が演じるのは、原田が受け持つ2年3組の生徒・光岡慎之介。初めての連続ドラマ出演となる今回、彼が撮影現場で感じたことを聞いた。
――撮影はいかがですか?
撮影はすごく楽しいです。いろんな意味で舞台作品と違うなって思うところがたくさんありました。まず今回は原作となるお話がないのですが、僕はそれも初めてで。お芝居する時にはもうちょっとここで表情とか作り込めたらいいなって思ったり。放送を見ることで、自分のお芝居の癖とかもわかりました。今はいろいろなことを試しながら探り探りでやっています。
——演出面で指導されたことはありますか?
最初は、お芝居はもちろん全部が硬いって言われていて。最初のうちはセリフの順番とかをすごく意識しちゃっていたんです。そのとき、「セリフの順番よりも自分の気持ちで演じてみて」っていう風に言われて。そこで「あ、別にやり過ぎちゃってもいいのかな」って思ったんです。もっと自分の感情で動ければいいなと。周りの方々のお芝居を必死に受け取ろうとして頑張っているんですけど、なかなかうまくいかない部分もありました。そこで自分発信の演技ばかりになってしまうと周囲との関係性の見え方にズレが生じてしまう気もして。必死に人の話聞いて受け取って…っていうことを大切にしていますね。
——そんな中で光岡がメインとなる第3話(5月4日放送)がありました。特別な緊張感やプレッシャーはありましたか?
どうでしょう…。3話の撮影期間が6日くらいしかなくて、怒涛過ぎてあまり覚えていないんです(笑)。長ゼリフもたくさんあって、セリフってどうやって覚えたら良いんだろうとか思ったんですけど。だけど、そういうことよりも光岡の心境で動いていければ良いのかなって思いながら必死に演じました。彼ってこういう子なんだっていうことを、台本を読みながら勉強して、それを信じながら撮影に挑みましたね。
——光岡という役に対しての印象はどうでしたか?
彼は最初のうち学校に行ってなくて。不登校っていうところから、何となく真面目じゃないのかなとか思ってました。でも3話の台本をいただいて、「あれ?光岡めっちゃ良い子じゃん!」って(笑)。不器用で口下手で…というイメージを最初は持っていたのです。でも父親が亡くなっていたりとか、兄妹の面倒を見てて、とかっていう新たな背景を知るたびに、もっともっと真剣に光岡と向き合わないとダメだって思って。クラスのみんなと打ち解けた後に女子グループに入ってご飯食べているのも意外だったし、いまだに台本をいただくたびに新たな発見があります。
——生徒の皆さんとの関係でいうと、どのあたりで打ち解けることができましたか?
光岡は学校に来ていなかったので、僕は1、2話の撮影に参加していなかったんです。校門に来るシーンだけ撮って、後は放送を見るっていう感じだったので、「俺本当にこのドラマに出てるのかな?」って思っちゃったり(笑)。放送で教室のシーンとかを見て、こんな感じなんだなって確認したりしました。最初のうちは自分のターンが来たらちゃんとできるかなとか、結構ドキドキが多かったです。でも3話の撮影が始まって、教室に入ったらクラス一緒にワイワイできて。みんなの輪にすぐ入れたのでホッとしました。学校来て良かった〜! って思いました(笑)。
——学校に来て良かったという気持ちになったのは、阿久津さん自身と光岡に重なる部分があったのですか?
そうですね。久しぶりに学校へ来て、みんなに謝るシーンを初日に撮影したので。途中参加である自分自身の気まずさみたいなものと役の気まずさがリンクしてて、めっちゃ演じやすかったです(笑)。
——担任役の古田さんとの思い出はありますか?
「よろチクビ!」ってやつがヤバかったです! もう、なんか…(笑いが止まらない)。撮影中アドリブもかなり多くて、それなのにアドリブじゃないみたいに仕上がってて。どうにか対応していかなきゃって思いました。3話でお家に先生が来るシーンがあるんですけど、古田さんと初めてお芝居をしたのがあのシーンでしたね。
――この先の展開で楽しみにしていることはありますか?
3話で深読みしていた人は分かると思うんですけど、僕、原田先生のイヤリングを拾っているんですよね。そこが後半どう描かれるのかなっていうのは楽しみです。
――拾うシーンが伏線に?
はい。拾ってそれをポケットにしまって、また帰り道に手に取って見ているところがあるんですけど。気づいている人いるのかな? 結構流れちゃっているのかなって。あの時はただ原田先生に返すか返さないか迷っているくらいの感じに見えたんですけど、でも実はそこにワケがあるので。今後どうなるのか、僕も楽しみです!
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