EXILE HIROが初プロデュースを務め、モントリオール世界映画祭をはじめ各国映画賞を受賞した『たたら侍』が全国公開中だ。主人公・伍介を演じた青柳翔に作品への思い、製作エピソードを聞いた。
――撮影から2年、伍介役を振り返って思うことを聞かせてください。
本物の武士ではない、武士になりたい男という設定が難しかったです。失敗から強くなり悪を成敗する役ではなく、戦場から村へ逃げ帰って、奮起するけれど頑張りが裏目に出て犠牲を生んでしまう。伍介がそこから何を目指すのか。本当にいろんな方に相談に乗っていただき、挑むことができたので、伍介はすごくやりがいのある役だったと思っています。
――現場で印象的だったことは?
景色や天候にこだわって撮影していたので、芝居を撮るタイミングが限られるシーンが結構多くて。ベストなコンディションで本番へ臨む、感情の持っていき方を学びました。休憩中は極力、芝居を離れるようにしていましたね。メイクさんが紙粘土の蛾を倒れた兵士の傷口にそっと置くのを見て、僕も真似して…。僕は親指を作ってましたね。
――島根ロケで思い出深いことは?
撮影した3カ月間、地元の皆さんが仁多米のおにぎりや宍道湖のしじみ汁を毎日差し入れてくださって。忘れられない味ですね。たくさんの現地の方にも協力していただき完成した、伝統のたたら製鉄を題材にしたこの作品に携われたことを誇りに思います。映画を通じて多くの方に知っていただきたいです。
――「HiGH&LOW」のドラマ、映画、ライブに続き、歌手デビューの夢もかなえました。次のステップは?
「HiGH&LOW」『たたら侍』と、全社一丸となって挑んだ作品だったので、責任を持って臨めるよう、昨年は自分と向き合う時間の多い1年でした。僕自身はまだ何も成せてないので…。今は、芝居を磨く努力をする。これに尽きると思っています。
あおやぎ・しょう 1985年4月12日生まれ、北海道出身。最近の出演作にドラマ「ファーストクラス」(フジテレビ系)、映画『極道大戦争』など。6月7日(水)にセカンドシングル「そんなんじゃない」をリリース。
映画『たたら侍』6月17日(土)から順次上映再開
STORY
戦国時代末期。島根・奥出雲の村に生まれ、上質な鉄“玉鋼”を生む門外不出の技術・たたら吹きを受け継ぐべく宿命づけられた伍介(青柳)は、鋼を狙う外敵から村を守るべく武芸を磨いていた。やがて運命に抗い、侍になろうと旅へ出るが…。
©「たたら侍」製作委員会