12月10日(土)に初日を迎えた映画『変態だ』で、その初日舞台挨拶に安齋肇監督が大遅刻で、みうらじゅん「僕が撮った事にして」と監督襲名!? 『君の名は。』との共通テーマ<君の縄>に大ヒット確信!
話題沸騰中の映画『変態だ』が12月10日ついに公開初日を迎え、監督の安齋肇、原作・脚本のみうらじゅん、主演でシンガーソングライターの前野健太、元宝塚男役スターの月船さらら、セクシー女優の白石茉利奈、真心ブラザーズの桜井秀俊、ピン芸人のウクレレえいじが、東京・新宿ピカデリーで初日舞台挨拶を行った。
同作は安齋肇が長編映画監督デビューを果たした、ロックとポルノをテーマにした衝撃かつ爆笑の青春ストーリー。売れないミュージシャンの男(前野)が、愛人(月船)を連れて旅行気分で出かけた雪山のライブ公演で覚醒していく姿を描く。
晴れの初日舞台挨拶……のはずが何と安齋監督が「タモリ倶楽部」の忘年会で遅刻という衝撃の幕開けに! 監督遅刻で平謝りのみうらは「もう僕が撮ったという事にしてください!」と監督襲名。それでも「本人が来ていないので説得力がないですが、彼はプロなところがある。デザイナーをやっているのでスタイリッシュな撮り方をする。ジム・ジャームッシュ監督や若松孝二監督的な撮り方をしているけれど、たぶん両方とも観ていないと思う。観ていないのに出来るそのセンスが凄い」と“主役不在”ながらも太鼓判だった。
すると遅刻の安齋監督が帽子とバックを持ったままダッシュで登壇。恐縮しきりの中みうらから「(配給の)松竹ブロードキャスティングだから“寅さんスタイル”だね」などとイジられつつも「1年くらいかけてあっさりと初日まで来られました。でもほぼ泣いています」と監督デビュー作の船出を喜んだ。
主演を務めた前野は「“変態だ”という言葉は魔法の言葉。“俺は変態だ”と言うことで“人生ってたいしたことないじゃん”と思える。まさにロックンロールと一緒」と力説。また大ヒット中のアニメーション映画『君の名は。』を観たところ「あっちにもこっちにも赤い紐が出ていて、観ていてドキドキした。作品に通じるテーマは全く同じ」と“君の縄”便乗ヒットを確信していた。
前野と雪山でのラブシーンに挑んだ愛人役の月船は「(宝塚という)綺麗なところからやってきているので不安もありました。宝塚を辞めて出た映画が貞操帯デビューだったので、そこからクリーンなイメージにしようと10年くらい頑張ったけれど、引き戻されました」と自虐。一方、前野の妻役として濡れ場シーンのある白石は「そのシーンで前野さんと初めましてだったけれど、キスの相性が良くて不安なく挑めた」と大胆告白。そんな白石が撮影後のアフレコで喘ぎ声を吹き込んだことから、みうらは「話題的には何かがあった方がいいので、アフレコのブースで前野さんと実際にからんだという体でお願いします」とねつ造ネタをマスコミにアピールした。
音楽を担当し、俳優としても4秒出演している桜井は「飲み屋で安齋監督から『来る?』と言われて渡されたのが雪山の切符で、楽屋に行ったら亀甲縛りの若者(前野)がいた(笑)自分には台本さえなくて、ほとんど通行人」と舞台裏を紹介。本人役のウクレレえいじは「飲み屋でみうらさんに誘ってもらったけれど、その時に猫ひろしもいて『ウクレレが忙しかったら猫がウクレレえいじ役で出てもらう』と言われた。とりあえずウクレレえいじにこだわってくれたのが嬉しかった」と笑わせた。
最後に安齋監督は「飲み屋で決まったことが映画として上映される喜びで溢れています」と相好を崩すと、みうらも「『変態か?変態だ』という感じで来年くらいの流行語大賞にくるはず」と予言。それにキャスト陣もノリノリで、観客との『変態か?変態だ』のコール&レスポンスで初日舞台挨拶を締めくくった。