ニュース

『プレバト!!』放送500回 総合演出・水野雅之氏インタビュー

MBS/TBS系全国ネットで、毎週木曜よる7時から放送中の「プレバト!!」が、8月14日に放送500回を迎えた。それを記念して総合演出・水野雅之のインタビューをお届け!
応じた。

――2012年の番組放送開始から13年が経とうとしていますが、どのようなことを考えてこの番組を企画されたのでしょうか。

まず浜田(雅功)さんが得意とする「芸能人が感情をむき出しにするスタジオショー」を作ろうと考えました。「木曜の夜7時に浜田さんの番組をやる」ことが最初に決まっていたのですが、若いファンの多かった浜田さんは当時、主婦が多くテレビを見ている平日の夜7時台には番組をやってなかったんです。しかも裏番組は、全盛期の『いきなり!黄金伝説。』(テレビ朝日)や『VS嵐』(フジテレビ)でした。その中でグルメや家事のウラ技をVTRで紹介する「7時っぽい番組」を作っても裏番組には勝てないし、そもそも浜田さんっぽくないし。

――内容については、やはり裏番組と被らないように?

そうですね。『黄金伝説』の長期ロケや『VS嵐』の壮大なゲームがとても豪華だったので、定着している人気番組に真正面からぶつかっても勝てないと思いました。あえて“ベタじゃない企画”を模索したところ、早い段階で「漢字書き順トーナメント」が世帯視聴率で二桁に乗りました。一画書くのに1分以上使って、筆先が震えるところをショーアップした企画で、ややこしい書き順に滅法強かったホラン千秋さんや、当時中学生だった吉川愛さん、蒔田彩珠さんも活躍しました。でも、間違えやすい書き順なんて30個くらいしかなく、すぐに埋蔵量が尽きてしまって……。飽きられる前に次の当たり企画を探したのですが、本当に鉱脈が見つからず。2013年の秋「このままじゃヤバイ」という会社の空気の中、最後の企画として投入したのが「才能査定ランキング」だったんです。

――なぜ才能をランキングにしようと?

一流のアスリートは、街行く人の歩き方を見ただけで「この人は足が速い/遅い」という才能がわかるそうなんです。努力しても才能の有無の差は埋まらない……というような白黒はっきりする世界は残酷だけど面白いな、と。だから1回やっても10回やっても変わらない「1回きりの才能査定」をやってみたいと思いました。

――それがなぜ俳句の企画になったのですか?

「どんなことで才能ナシだと言われたくないかな?」と考えた時に、「何を言っているかわからない。言葉の表現力がない」というダメ出しは嫌だなと思ったんです。そこで、短歌や詩、交通安全の標語などさまざまなジャンルの講師をリサーチしました。最初は、著名な歌人も多い短歌でやりそうだと思っていたのですが、一般人の俳句をバッサバッサ斬っている夏井いつき先生の動画をディレクターが見つけてきたんです。会議で全員が即決するくらいインパクトのある映像でした。

――これまでの500回の中で、夏井先生との出会いは大きいですよね。

ターニングポイントはいくつかありますが、その中でも間違いなく最も大きな出会いです。浜田さんが収録でライブ感を大切することはよく知られていますが、元々教師だった夏井先生も“ライブの人”なんです。普段から夏井先生は「学校で子どもが発言するときに一度でも聞き返してしまったら、もうその子は生き生きと話せない」と言っていて、収録でも一言も聞き逃すことなく、臨機応変に対応できます。だから芸能人がスタジオで突然予想外のことを言っても、想定を超える盛り上がりが生まれるんです。また、黒板を背負ったセットも、夏井先生の説明が面白くてコンパクトだからという理由で実現できました。もしダラダラ話す先生だったら、編集点を細かく入れないと聞いていられないから(笑)あのセットではやれません。黒板の俳句を視聴者が認識する前に映像が切り替わっちゃうので、ストレスが溜まって見ていられないからです。

――突然聞いちゃうのですが、最初に才能アリ1位になった方は覚えていますか?

杉村太蔵さんでした。今と査定の基準が違うのですが、85点くらい取っていましたよね。

――やっぱりちゃんと覚えてるんですね! そして500回までの間、「俳句」で才能を開花させる芸能人がたくさん誕生しました。

永世名人だと、梅沢(富美男)さん・村上(健志)さん、横尾(渉)さんは最初から才能アリでしたが、フジモン(藤本敏史)さんは初挑戦では「凡人」でしたし、(千原)ジュニアさんは才能ナシでした。フジモンさんは、最初に出演オファーをした時に「芸人がマジメに俳句を詠んでも何がオモロイか見えない」と言ってました(笑)。でも一度やってみたら、必死に考えた俳句が褒められたり、バッサリ斬られたり、劇的に手直しされるのが面白い。出演者もスタッフもみんなで徐々に実感していった感じです。

――放送を重ねながら企画を完成させていったということですか?

1

2 3

関連記事

  1. 本日開幕!『新・熱海殺人事件』能條愛未×向井地美音対談インタビュ…
  2. Stage fan Vol.20(ステージファン) 6月27日(…
  3. 根本正勝×峯岸みなみ主演映画『終わりが始まり』が京都国際映画祭で…
  4. ふぉ~ゆ~の福田悠太が女性役に初挑戦!『女の友情と筋肉 THE …
  5. 「つかこうへい復活祭2023『新・幕末純情伝』」を菅井友香主演で…
  6. ドラマ『今からあなたを脅迫します』超人気“さわやか”国会議員役に…
  7. 月刊TVfan(テレビファン)8月号 6月23日(木)発売!
  8. TVfan CROSS Vol.43(テレビファンクロス) 7月…
PAGE TOP
error: Content is protected !!