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畠中祐・上村祐翔インタビュー『ヤマトよ永遠に REBEL3199 「第三章 群青のアステロイド」』

――そういう意味で、最初に脚本を読んだときに「こうしよう」というご自身の中の芝居の出発点があって、結果的にはどんなふうにアフレコができたという実感がありますか?

畠中 第三章にあたっては、文字上で見ていたよりもっともっとやっちゃっていいという感じでした。 だからもっともっと憤ってていいし、もっともっとぶつけちゃっていいし。だからこそ本音になるシーンがすごく際立つというか。お互いが今通じたのかもしれないという瞬間が際立つから、もっと憤っちゃっていいというのは、文字上で見る以上にもっと彩り豊かだったかなというか、波があったなというのは本番を通して感じましたね。

――揚羽はいかがですか。

上村 感情の起伏みたいなところで言うと、ずっと張り詰めた空気でしたが、あるきっかけで、揚羽が土門と繋がれたことで、すごく爽やかな微笑みを浮かべるぐらいまで変化していったところはすごく感情が柔らいだ状態で収録しました。僕は最初、ヤマトに関わっている人たちは命をかけて戦っているわけだから、すごく芯があって大人で、ものすごく成熟している人たちだと思っていたんです。でもそういう揚羽の変化とか見ていると、ちゃんと年相応の青年なんだなと思って。それが演じていて楽しいなと思いましたし、ある意味自分にとってすごく身近な存在なんだなっていうことを演じながら再確認することができたので、自分と揚羽も繋がれた感じがして、思いっきり演じました。

――土門と揚羽のカップ麺を分け合うエピソードはグッときました。

上村 うれしい! あれが直接の会話じゃないっていうのが憎いよなぁ。

畠中 確かにね! 直接だとちょっと照れくさいよね(笑)。

――今回、入場者プレゼントに土門と揚羽がラーメンを食べているイラストもあるとか。

畠中 (イラストを見て)えっ、彼らこんな大暴れしてるんですか!?

上村 腹すかしまくってるじゃん!(笑)

畠中 めっちゃ激しいね。 どのくらいの速度で突っ込んだらこんなに麺が飛び散るんだろう? あ、無重力だからか! だったらここまで行くね。

上村 ファンの方もびっくりするでしょうね、これは。

――本来これくらい仲の良かった親友役を演じられた畠中さんと上村さんですが、お二人の出会いはかなり昔らしいですね?

畠中 なんたって、子役の先輩ですから!

上村 いやいやいや! でも確かに、初めて会ったのはもう10年以上前ですね。

畠中 俺19歳か20歳なったぐらいの時だったから…

上村 お互い大学生だったもんね? 20歳なりたてぐらいの時に出会って、気づけばお互い30歳になり、ですよ。

畠中 びっくり!

上村 ね、信じられないね! 僕らの初共演っていうと…『夢キャス』?(スマートフォン向けゲーム『夢色キャスト』)

畠中 そうだ! 『夢キャス』だ! 2015年の作品だから…もう丸10年経つんだね。

上村 そのあとすぐ、外画の吹き替えでも共演したよね。

畠中 そうそう、収録の前後でランチ食べに行ったりして!

上村 僕がちょうど声優業を頑張っていくぞっていう時期に祐くんと出会いました。

畠中 あの時って、“声優業で頑張っていくぞ”の時期だったの?

上村 大学時代も学業とお仕事を並行していたんですよ。そこで“先生になるという選択肢もあって。そういうことも視野に入れていた時期ではありつつ、色々な仕事に触れる機会が増えていって、結果的に声優の道を続けていくことにはなったんですけど。だから10年前って僕に取っては青春時代というか。 声優業にどうやって立ち向かっていけばいいのかをたくさん考えたし、それこそお互い小さい頃から役者をやっているから悩みも共有できていた気がする。

――分かり合える部分がたくさんあるんですね。

上村 そうですね。僕らは、多くの人が通るであろう“養成所に通って声優事務所へ”っていうルートではなかったので、がむしゃらに叩き上げで頑張ってきました、みたいな感じだったから(笑)。

畠中 そうそう。だから現場で「うわっ! 養成所の人たちがうまい、どうしよう!」って思うこともたくさんあったよね。

畠中 僕はすごく当時のことを覚えてる。吹替やってて一人だけ質感が違う人がいるって思ったんだよね。

上村 祐くんは、そう言ってくれるよねぇ。

畠中 「いたいたいた! すげー!掛け合いの感覚が全然違う!」みたいな感じ。

上村 出会いからお互いいろいろなお仕事を積み重ねてきた中で、土門と揚羽のような相対する役をやれるっていうのは、ある意味新鮮な気がする。

畠中 確かに。仲間を演じることもあったけど、こういうふうに過去の確執があって、かなり深く掘り下げていく関係性の役を演じるのは初めてだよね?

上村 初めてだね。だから良かったです、ここまで続けてきて。

畠中 そうだね!

――こういった再会は、お仕事を続けてきた先のご褒美みたいなところがありますね。

上村 そうですね。土門が祐君なんだっていうところも含めて、今回の共演が本当にうれしかったです。「祐くんなら、思いっきりぶつかっていけば絶対に返してくれる」って思えるから。

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