5月に森新太郎演出、勝地涼主演で上演することを発表したPARCO劇場開場50周年記念シリーズ『夜叉ヶ池』。このたび、本作のキャストと公演概要が決定した。
『夜叉ヶ池』は、1913年に日本幻想文学の先駆者・泉鏡花が発表した戯曲作品。放浪の旅人と孤独な美貌の村娘、 夜叉ヶ池の竜神姫と彼方の竜神の2つの恋物語を中心に、人間世界と異界の眷属の物の怪たちが荒々しくユーモラスに描かれた物語で今もなお愛されている名作だ。
この傑作ファンタジーを、今年開場50周年を迎えるPARCO劇場にて言葉と芝居にこだわりを持つ森の演出、ダンサー・演出家として独自の世界を切り開いてきた森山開次の振り付けで上演する。
主人公の鐘楼守・萩原晃を演じるのは、PARCO劇場で初座長を務める勝地。村に現れる学者・山沢学円役は声優だけにとどまらず、多岐にわたって活躍する入野自由。萩原の妻・百合役には、数々の映画賞で受賞の経歴を持つ瀧内公美。夜叉ヶ池の竜神姫役には、第29回読売演劇大賞 杉村春子 賞を受賞した那須凜が決定した。
表現者としての実力を兼ね備えたキャストがそろい、森新太郎の演出の下、泉鏡花の美しい日本語が紡ぎ出す世界観をあやしく現代によみがえらせる。
開場50周年を迎えるPARCO劇場の舞台に現れる泉が描き出す 幽玄の世界。 ぜひ劇場にてご堪能のほどを!
[勝地涼コメント]
言葉が現代的ではないので読むのに苦労しました。まだまだ読み込まないといけないなと不安なところもありますが、PARCO劇場に主役で立たせていただけるということがうれしくて、今はワクワクのほうが勝っています。演出の森新太郎さんについては、いつかご一緒したいと思っていたので、こんな夢のようなことがあるんだなと感じています。出演したことがある方からはみっちり稽古すると聞いていて、僕的には何回も何回もトライできることはありがたいので、厳しさを含め、存分に森さんの演出を浴びたいと思っています。PARCO劇場はお客さまとの一体感を感じる劇場で、見に行く側としても作品に没入できる感覚になれるので、『夜叉ヶ池』の空気感もお客さまと共有できるんじゃないかと思っています。泉鏡花と聞くと、読んだことがない方は難しいのかなと構えてしまうかもしれないですが、話はとても分かりやすいですし、現代の方たちにも伝わるメッセージ性があると思いますので、ぜひ見に来ていただきたいです。座長をやっている勝地涼、珍しいので(笑)、ぜひ劇場に足を運んでください!! よろしくお願いします。
公演は5月2日(火)~23日(火)まで、東京・PARCO劇場にて。