第72回カンヌ映画祭で韓国映画初となるパルム・ドール受賞を果たし、第92回米アカデミー賞では非英語作品として史上初の作品賞受賞のほか監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の計4部門受賞という快挙を成し遂げた映画『パラサイト 半地下の家族』。
世界の映画賞を席巻し、社会問題化している「格差社会」というテーマを描きながらも、所々に散りばめられたち密な伏線とテーマ性が話題を呼び、サスペンス、ブラックコメディー、ヒューマンドラマなどのジャンルを超えた傑作として世界各国で称賛の嵐を巻き起こした映画が、先般、COCOON PRODUCTION 2023『パラサイト』として日本で舞台化されることが発表されると大きな反響を呼んだ。
日本版『パラサイト』の台本・演出は、映画『愛を乞う人』『焼肉ドラゴン』、舞台『泣くロミオと怒るジュリエット』などを手掛け、そのパワーを遺憾なく発揮してきた脚本・演出家の鄭義信が務める。舞台化への期待が高まる中、このたび第一弾キャスト情報が解公開となった。
日本版『パラサイト』の舞台となるのは90年代の関西。 家内手工業の靴作りで生計を立て、地上にありながら地下のように一日中薄暗いトタン屋根の集落で細々と暮らす金田一家。物語の中心となる金田一家の主・金田文平には、さまざまなジャンルで活躍する個性派俳優の古田新太が決定。身分を偽造し、高台の豪邸に住む永井家の家庭教師としてアルバイトを始める文平の息子・順平を、数々の話題作に出演し俳優として着実にキャリアを積む宮沢氷魚が務める。同じく永井家にアートセラピー教師として取り入る順平の妹・美妃には、子役時代から安定感のある演技力に定評があり、シリアスからコメディーまでこなす伊藤沙莉。美妃に続いて家政婦として雇われる文平の妻・福子には、多くの作品で唯一無二の存在感を放つ江口のりこ。個性と実力を兼ね備えた魅力的なキャストの共演が実現した。
裕福な家庭に次第に寄生していく金田一家に待ち受ける運命とは—。 舞台ならではの衝撃のラストにご期待を。
[古田新太コメント]
“日本のソン・ガンホ”と呼ばれることも多いオイラが、ついに彼と同じ役を演じる日が来ました。とはいえ、ガンホさんが一歳下ですから、本来“韓国の古田新太”と言われてしかるべきじゃないかと! でも彼のファンでもあるので、稽古前に映画を見直して完コピしようかな?ともくろんでいます(笑)。そして、これまでもオファーを頂きながらスケジュールが合わず、なかなかご一緒できなかった鄭義信さんの作品に、やっと出演がかないます。鄭さんらしい、分厚い人間ドラマになるんじゃないでしょうか。同時代を生きてきたインディーズ出身の演劇人たち、そして才能豊かな若手がそろう座組みを、鄭さんが料理する舞台、どうぞ期待値マックスで足をお運びください。
[宮沢氷魚コメント]
今回、世界的ヒットを果たした『パラサイト』の舞台に出演させていただけることをとても光栄に思います。個人的に大好きな映画であり、新劇場でどのように舞台化をするのか楽しみで仕方がありません。鄭さんの作品は映画『焼肉ドラゴン』、舞台『僕は歌う、青空とコーラと君のために』をはじめいくつか拝見しましたが、どれも傑作で、鄭さんに演出していただけることを楽しみにしています。世界情勢が不安定で、格差がどんどん開いていく今だからこそ、この作品を届ける意義があると信じています。一人でも多くの方にこの作品を見ていただきたいです。
[伊藤沙莉コメント]
映画館でもテレビでもサブスクでも、何度も見た大好きな映画、そしてファンの方も多い作品の舞台化に参加できる喜びと緊張で震えています。たくましく懸命に生きる人間を、アツく優しく描く鄭さんの舞台に初めて出演したのは、私がまだ20歳そこそこの時でした。この挑戦的な舞台で再びご一緒できることにも、運命を感じています。さらに素晴らしい共演者ぞろいですから、これは面白いものになる予感しかしません! あの世界をどう生のステージで表現するのか、まだ全く想像できていませんが、皆さまの期待を裏切らない、そしていい意味で裏切る作品になれば…と思います。ぜひ劇場に確かめにいらしてください。
[江口のりこコメント]
自分が若手時代に出演した、ドラマ「すみれの花咲く頃」(NHK)や映画『信さん・炭坑町のセレナーデ』といった、映像作品の脚本を手掛けていた鄭さんと初めて舞台でご一緒できることが、まずはとてもうれしいです。座組みには古田さんという頼れるアニキがいますし、何があっても大丈夫という大いなる安心感! キャスティングを眺めていると、ふと「(夫役を演じる)古田さんと私から、果たして宮沢氷魚さんが生まれるのか?」と疑問も沸きますが(笑)、映像で共演経験もある宮沢さんが、この役をどう演じられるのかも楽しみの一つです。とにかく頑張りますので、ぜひ見にいらしてください。
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