日本で最も知られる軍記物語「平家物語」を基にして新たなエンターテインメントを創り上げた舞台『波濤を越えて』が、11月12日に京都・南座にて開幕した。
IMPACTors/ジャニーズJr.の影山拓也、Lilかんさい/関西ジャニーズJr.の嶋﨑斗亜、そして歌舞伎俳優の中村壱太郎をはじめ能楽・歌舞伎・現代演劇の各分野で活躍する俳優陣が共演した話題作だ。
「平家物語」は、源平の合戦を中心に戦乱の世に翻弄(ほんろう)される武将と市井の人々の栄枯盛衰を描いた物語。壮大な物語は、史実と創作が散りばめられた軍記物語の中でも特に人気を集めてきた。能や歌舞伎をはじめテレビドラマや小説など数々の作品の中に今なお息づいていて、人々の心をつかんで離さない。
本作『波濤を越えて』は、時を越えた祇王の怨念をきっかけに義経の幼少期や弁慶との出会い、知盛と清盛親子の葛藤など「平家物語」の中でも印象的な場面の数々を現代的な視点で捉え直し、古典芸能と現代演劇の演出を融合させて令和の新たなエンターテインメントとして描く。
知勇を兼ね備えた武将として名高い平知盛を影山が、数々の逸話を持つ悲劇の武将・源義経を嶋﨑が演じる。中村は平清盛に寵愛された衹王と義経に寵愛された静御前の2役に挑んでいる。
初日公演を前に公開ゲネプロと囲み取材が行われ、影山らが公演に懸ける意気込みを語った。
[影山拓也コメント]
2カ月にわたり稽古を重ねてきました。共演者の皆さまとの対面でのお稽古に圧倒されながらも、壱太郎さんたちの背中を見て、もっと頑張ろうと思って取り組んできました。僕は公演期間中、毎日この舞台に立ちますが、お客さまにとっては1回きりなんだということを意識しています。来てよかったと思い出が増えるような公演にしたいと思っていますので、楽しみにしていてください!
[嶋﨑斗亜コメント]
外部の舞台への出演が初めてで、壱太郎さんや影山くんと一生懸命稽古を重ねてきました。義経の存在は名前くらいしか分かっていなかったですが、今となっては彼の苦悩や葛藤が稽古を通じて少しずつ理解できてきたかなと思っています。来てくださったみんながいい舞台だったと楽しんでいただけるように、精一杯頑張ります。
[中村壱太郎コメント]
静御前と衹王の2役を務めます。稽古中は2人の伸びしろを感じ、また、努力を重ねる姿にとても触発されました。2人はセリフや立ち回りが完璧に仕上がっていますのでご期待ください! そして京都の次は広島でも上演します。場所が変わるとお芝居が意図せず変わることもあるので、京都で高めたものをぜひ見ていただきたいです。
公演は11月22日(木)まで京都・南座にて。11月25日(金)、26日(土)広島・広島文化学園HBGホールにて。